2026年8月25日から9月21日まで、学生指導者として福田一斗さん、牧野夢希さんの2名をフランスへ派遣しました。
フランス柔道連盟からのご依頼を受け実施すりている本事業は、昨年度に続き2年目の実施となります。今回は、牧野夢希さんから現地での活動について報告が入りましたので、紹介させていただきます。
フランス指導者派遣を終えて
牧野夢希
今回のフランス指導者派遣は、自分にとって初めての海外でした。同級生の福田一斗と2人でフランスに向かいました。

羽田空港、出発前にパシャリ!
パリ・シャルルドゴール(CDG)空港に到着すると、フランス柔道連盟のリリアンが迎えに来てくれ、温かく歓迎してくれました。
アミアンとテルニュ(8/25〜9/4)
8月25日から9月4日まで、アミアンとテルニュ周辺の道場を訪れました。
現地からのお便りでも書いた通り、アミアンの高校の施設にさまざまなチームが集まって合宿をしており、そこに参加させていただいて、3日間行動を共にしました。
まず感じたのは、言語の壁です。さらに、右組の選手もいる中で自分は左組だったため、相手に理解してもらえるよう工夫して教える必要があり、大変でした。
それでも、言葉が十分に通じなくても、皆とてもフレンドリーに接してくれました。柔道を通して、言葉が違っても分かり合えることが何より嬉しかったです。仲良くなってきたタイミングでの別れは少し寂しく、同時に、指導することの難しさも痛感しました。
合宿が終わった後は、リリアンの家にホームステイさせていただきました。BBQをしたり、リリアンのパートナーのナチャヤさんが作ってくれたタイ料理をいただいたりと、さまざまな食事を楽しみました。

食事前にパシャリ!
合宿の後は休みをもらい、アミアンを観光しました。ピカルディ博物館、ノートルダム大聖堂・アミアン、ジュール・ヴェルヌの家などを巡り、充実した休日になりました。特にノートルダム大聖堂・アミアンは、その規模と高さに圧倒され、建物の細かな造りにも感動しました。
翌日の日曜日も休みだったため、朝早くから支度をして、待ちに待ったパリに向かいました。
フランスの高速鉄道TGVでパリ北駅に向かい、そこから地下鉄で、まずはノートルダム大聖堂へ。アミアンの大聖堂とはまた違った雰囲気があり、その造りに改めて見入ってしまいました。
その後はシャンゼリゼ通りに移動し、ショッピングをしながら凱旋門へ。写真でしか見たことがなかった凱旋門を実際に目にすると、そのスケールの大きさに驚かされ、たくさん写真を撮りました。

▲ 凱旋門の大きさに大興奮!
そこからエッフェル塔を目指して歩きました。到着すると、やはり写真と実物は違うと感じ、感動しました。時間があったので、記念にエッフェル塔にも登りました。東京スカイツリーのガラス張りの展望台とは違い、吹きさらしで足元も鉄格子状だったため、風も強く、怖かった記憶が強く残っています。

▲ 頂上は怖すぎてビビりました!
有名な観光地を巡り、とてもリフレッシュすることができました。
その後は、ホームステイ先のリリアン宅の近くにある道場で、小学生のクラスと大人のクラスを教えました。合宿に参加していた子どもたちにも再会でき、とても嬉しかったです。

▲ アミアンチームでパシャリ!
アミアン滞在の最後は、車で少し離れたテルニュ周辺に向かい、二つの道場で指導しました。たくさんの人と交流し、最後にはコップやTシャツ、タオルなど、さまざまなプレゼントをいただきました。特にタオルがお気に入りです。
夜は先生方のご家族と一緒に、リクエストしていたマクドナルドに連れて行っていただきました。海外のマクドナルドは初めてで、食べながらたくさん話をすることができ、とても楽しい一日になりました。

▲ 指導前の様子
クロミエ(9/4〜9/10)
金曜日の朝、アミアンからTGVでパリに向かい、そこから地下鉄とバスを乗り継いで、クロミエという街に向かいました。
クロミエはとても小さな街ですが、道場には小学生から大人まで多くの生徒がいて、活気にあふれていました。また、先生のレミは日本柔道をよく理解しており、チーム全体の動きも日本の柔道に近かったため、教えやすかったです。
滞在中は、ガンビア代表(100kg級)のアブドルの家にホームステイさせてもらいました。本当にいい人で、お気に入りのお寿司屋さん「OKASUSHII」に連れて行ってもらったり、近所のチキン屋さんで毎日丸鶏を1羽買ってもらったりと、お腹いっぱい食べさせてもらいました。

▲2週間ぶりの日本食は最高でした!

▲練習後の楽しみはアブドルと3人で丸鶏を食べること!
日曜日は休みだったため、一斗と一緒にパリのディズニーランドに行きました。一斗はディズニーにとても詳しく、無料のガイドが付いているかのように、ほとんどのアトラクションを回ることができ、楽しい休日になりました。

▲ミッキーと記念撮影!
月曜日からは、再び柔道漬けの日々でした。昼はアブドルと近くのジムに行き、3人で胸のトレーニングをしました。海外のジムは初めてでしたが、マシンの数がとても多く、自分にとってはこちらの方が夢の国でした(笑)。
トレーニングを終えてからは、17時30分から21時30分過ぎまで、小学生から大人まで続けて指導を行い、大変でした。
火曜日は、夕方に隣町の「ルベ」で小学生を2クラス教えてから、クロミエの道場へ移動しました。この日は道着を着ず、柔道をしない人も交えて、遊びやサーキット形式の運動で汗を流しました。道場の生徒だけでなく、大人の方々とも親睦を深めることができ、とても良い一日でした。
クロミエでは柔道の日とトレーニングの日を交互に設けており、柔道場を活用して、未経験者でも参加できる新しい取り組みをしていることを知りました。
▲ トレーニング風景!
クロミエ最後の練習となった水曜日は、15時30分から21時30分までの6時間。今回で最長の練習時間となり、正直疲れました(笑)。最後の日ということもあり、寂しさも感じました。練習後は、レミやアブドルなどクロミエチームの方々と、近くのインド料理店で食事をしました。

▲ 最終日の練習後に先生たちとパシャリ!
翌朝は早くから、レミが車で駅まで送ってくれました。クロミエチームのマーク入りTシャツやミズノのジャンパーなどをプレゼントしていただき、今でも愛用しています。

▲ クロミエの大人クラスのみんなとパシャリ!
ボルドー(9/10〜9/12)
フランスに来て初めてのトラブルがあり、予定していた列車に乗ることができませんでした。慣れない土地で、地図アプリの表示と実際の駅の場所が食い違っており、結局、2本遅い列車に乗ることになりました。それでも、練習開始ぎりぎりに間に合い、ほっとしました。
この日は合同練習で、さまざまな学校の生徒や道場の方々が集まり、大人数での指導となりました。会場は「テディ・リネール道場」で、畳が10面もあるとても大きな道場でした。技術指導の後も、たくさんの生徒が乱取りを申し込んでくれて、活気のある稽古になりました。

▲ 練習後にみんなでパシャリ!
翌日の午前中は、クラブの先生であるナンドがボルドーを案内してくれました。観光地ということもあり、お店の数や人の多さから、パリを思い出しました。海が近いこともあり、とにかく暑かったです。ヨーロッパは湿度が低く、日陰は快適でしたが、直射日光が強く、かなり体力を削られました。
午後は、ナンドが経営する道場で、小学生から大人まで4時間という長丁場でしたが、楽しく指導・練習することができました。夜はナンドのご家族とレストランに行き、ボルドー産の赤・白ワインやたくさんの料理をご馳走になり、楽しいひとときを過ごしました。

▲ 練習後にみんなでパシャリ!

▲ レストランでボルドーの赤ワインと白ワインを飲みました!
土曜日はテディ・リネール道場に戻り、地域の先生や審判員を対象に、日本の柔道スタイルを紹介しました。皆さんの日本スタイルへの関心が高く、たくさんの質問をいただき、改めて教えることの難しさを痛感しました。

▲ リネール道場は畳が10面もあり、驚くほど広い!
この頃から、2週間の技術指導で使ってきた英単語をノートに整理し、一斗のサポートも借りながら、自分の言葉で1時間の技術指導にも挑戦しました。
午後は国際審判員の先生による審判講習に参加し、模擬審判も経験しました。講習の後は、連盟のパトリックに車でペリグーまで送っていただきました。
ペリグー(9/12〜9/13)
ペリグーの道場まで送っていただき、そこからドルドーニュ柔道委員会のセドリックの家へ車で向かいました。到着後はペリグーを案内してもらいました。街並みや雰囲気が、フランスで訪れた中で一番好きで、とても印象に残りました。
夜はセドリックのご家族とレストランに行き、食事をご馳走になりました。セドリックは日本が大好きで、「NARUTO」の話などで盛り上がりました。お子さんも本当に可愛く、思い出に残る楽しい夜でした。

▲ セドリックのご家族との楽しい夕食でパシャリ!
翌朝は、地元で人気のカヌレやパン・オ・ショコラのお店を回り、ご馳走になりました。

▲ 有名なカヌレとパンをご馳走になりました。
この日は日曜日で、本来なら休日でしたが、日本から来るということで、たくさんのチームが集まって合同練習をしてくれました。技術指導と乱取り稽古を終え、最後は全員で「四股」のトレーニングをしました。皆、初めて見る動きに興味津々で、楽しんで取り組んでくれました。
▲ 最後は全員で四股のトレーニングをしました。
セドリックは「いつか日本に行きたい」と話してくれました。ペリグーには1日しか滞在できなかったので、今度は日本で再会し、一緒に食事をしながら、この日の思い出を語り合いたいです。その時はお酒も飲みながら、ゆっくり話せたらと思います!
リモージュ(9/13〜9/14)
この日もパトリックの運転で、午後にリモージュへ向かいました。トレーニングセンターに泊まり、翌日はリモージュ道場の先生であるドリアンと合流して、街を観光しました。夕方からは2時間ほど練習をしました。

▲ 街で記念撮影

▲ リモージュのみんなとパシャリ!
夜はドリアン、コーチのリゾン、そしてパラ柔道でアテネ・パラリンピック金メダル、世界選手権10回優勝の経験を持つシリル・ジョナードさんと、奥さま、ご友人と一緒に食事に行きました。世界各地の料理を楽しめるレストランで、ここでも日本食を食べることができました。
ジョナードさんの奥さまは日本に住んでいたことがあり、ご友人は偶然リモージュに来ていた日本人の方でした。タイミングよく一緒に食事をすることができ、久しぶりの日本語での会話に、少しフランスにいることを忘れてしまいました(笑)。
ポアティエ(9/15)
ここでも連盟のパトリックに送っていただき、ポアティエへ移動しました。現地ではテオが担当してくれました。テオは現役時代に73kg級のフランス代表だった、若くてとても強い選手です。
テオと一緒に近くの中学校へ行き、技術指導のみのクラスを50分と90分、それぞれ担当しました。
その後、畳が6面もある大きな道場に移動し、夕方から再び合同練習を行いました。大勢の学生に指導し、一緒に乱取り稽古もしました。広報のカメラマンの方が、たくさん写真を撮ってくれました。

▲ 大人数の前での講習会は緊張しました!

▲ カメラマンに撮ってもらいました。
ラ・ロシェル(9/16)
ポアティエでの練習を終え、夜に車で移動し、パスキエ夫妻のお宅にホームステイさせていただきました。ご家族が日本の大学に関わりがあることもあり、日本の話で盛り上がりました。手料理もたくさん振る舞っていただき、夕食と朝食をご馳走になりました。食事の後はラ・ロシェルを観光しました。

▲ 手料理が美味しかった!
初めて大西洋を見に行き、海に足を入れるなど、良い体験ができました。街を散策しながら、お土産にボルドー産のワインを5本買いました。

▲ 大西洋を見に行きました!
午後は、小学生から大人までを対象とした90分のクラスを2つ担当し、技術指導と乱取り稽古をしました。ポアティエの合宿に参加していた学生もいて、とても楽しかったです。お土産に、食前酒の「ピノ」やお菓子などをたくさんいただきました。日本に戻ってから少し飲みましたが、とても飲みやすく、美味しかったです。
ポアティエ(9/17〜9/19)
朝、ラ・ロシェルからポアティエへ戻り、その日は中学校で短いレッスンをしてから、近くの大学へ行きました。そこには柔道未経験者から、火曜日の合同練習に参加していた生徒まで、幅広い人が参加していました。その後は街を散策し、カフェで休憩してから、火曜日に訪れた大きな道場へ向かいました。

▲ 大学生に授業の一環として指導しました!
テオからのリクエストもあり、喧嘩四つの大外刈りに加え、連続技やケンケン大外など、さまざまな技術を指導しました。最終日に近づくにつれて、英語力も自分なりに成長し、一つの技術をある程度、自分の言葉で教えられるようになりました。技の理解も深まり、自分自身も少し強くなれたのではないかと思います。
この日は、生徒で、あだ名が「マックス」という人の家にホームステイさせていただきました。夕食を一緒にいただき、その後はビリヤードも楽しみました。1日だけでしたが、とても有意義な夜でした。
翌日の金曜日は、学生への最後の指導でした。これまで教えた大外刈りや組み手を復習し、その使い方もおさらいしました。この日は指導のみの2クラスで、午前中に終了しました。ポアティエの学生はとてもフレンドリーで活気があり、今回の派遣で最も乱取り稽古をした地域でした。やはり最後となると寂しかったです。
▲ 練習後の交流風景!
午後は中学校から山の方へ向かい、ナショナルセンターに泊まって、最終日の準備をしました。
土曜日の最終日は、地域全体の指導者が集まるイベントに講師として参加し、午前は立技、午後は寝技の2クラスを担当しました。ボルドーからポアティエに来るまでに訪れた道場の先生方もほとんど集まっており、顔を合わせるととても嬉しかったです。改めて、大きなイベントで講師を務めさせていただいたのだと実感しました。
どの先生も、前襟と引き手の二つを持つ日本スタイルに興味津々で、たくさんの質問をいただき、有意義な講習になったと思います。質問の内容を理解し、文法は無視した単語中心の英語ではありましたが、自分の言葉で会話できる喜びを最終日に強く感じました。改めて、フランスに来て良かったと思いました。
▲ 一斗にサポートしてもらいながら、英語でレッスン!
最後に
ここまでが、フランスでの活動と体験の大まかな流れです。言葉や写真だけでは表せない経験をすることができました。柔道を通して多くの出会いが生まれ、たくさんの経験を積むことができました。
これもひとえに、参加の機会をくださったJUDOs、サポートしてくださったフランスの方々、そして費用を出して送り出してくれた両親をはじめ、多くの方々のおかげです。
また、海外に出たことで、改めて今いる環境の素晴らしさも感じました。この経験を活かし、今後も英語を学び続け、自分の言葉でもっと海外で柔道を教えたいという新しい夢ができました。今後もこのような機会があれば、ぜひ参加していきたいです。Merci ! À bientôt !
取り上げてくれた各道場のInstagramです!
『アミアン』
ASC柔道クラブhttps://www.instagram.com/p/Dc0hoehiPdl/?rpxt=MWd2aWJsNTBnMGt1ZQ==
・https://www.instagram.com/p/Dc0sH2OjUvL/?rpxt=OWV5c3R1bzFpNm4x
『クロミエ』
Judo Coulommiers Dojos Briards
https://www.instagram.com/p/Dc9VfIHjTWU/?vrfl=MTZnZmw2Y2lmYWc3ZA==
Judo Club Mouroux
https://www.instagram.com/p/DdABsxmuDPI/?dlrf=YmtsaXA0YThoY3k2
『ボルドー』
https://www.instagram.com/p/DdTP5zcDgiK/?img_index=6&cplk=bWpmamxoMnI0cTd1
『リモージュ』
moges Pole Espoir Limoges Judo
https://www.instagram.com/p/Ddf2xQNIX_8/?cplk=ZXd5eDI3Mmtpancz
『ポアティエ』
Ligue Nouvelle Aquitaine Judo
https://www.instagram.com/p/DdolUJ7DEBd/?img_index=7&vrfl=eWU5aDh1NWxkMnpi
