ネパール・エベレストで柔道指導を開始した山田美咲さんより活動報告No.4が入りましたので、ご紹介いたします。
JUDOsでは、山田美咲さんの活動を応援していきます。
* * * * * * *
クムジュン柔道部稽古の様子
クムジュン村で柔道をしている子どもたちは、総勢約80名。日々の稽古は、ジュニア組(6歳~11歳)とシニア組(11歳~16歳)で、曜日ごとに分けて行なっています。
◆稽古スケジュールは◆
日曜日 16:30〜17:30 ジュニア組
月曜日 16:30〜17:30 シニア組
火曜日 16:30〜17:30 ジュニア組
水曜日 16:30〜17:30 シニア組
木曜日 16:30〜17:30 ジュニア組
金曜日 14:30〜16:30 シニア組
土曜日 11:00〜13:00 少人数での稽古
稽古時間は、学業が終わってからの4時半から5時半まで。といっても、ほとんどの子どもたちは
15分前には道着に着替えて道場に来ています。私は、ここにきて3週間が経ちましたが、これまで一度も稽古開始時間が遅れた事がありません。3年前、カトマンズでJICA海外協力隊として活動していた頃、16時半開始の稽古に、選手たちは16時半に道場に到着し、「時間に間に合うように来て!」と怒る場面が多々ありました。ナショナルチームでさえ、稽古開始時間を守れない状況がありました。
また、最初だけではなく、今も続いていること、これはクムジュン村の子どもたちの柔道を学びたい気持ちの表れです。時間にルーズなネパール人といったイメージがありましたが、柔道によって、わかりやすく目に見えて変わった子どもたちの変化です。
子どもたちは、一年前から柔道を始めた子がほとんど。受け身、投げ技等、全くの初心者ではありませんが、もう一度、礼法、受け身からの稽古を行なっています。
土曜日は、全体の稽古は休み。子どもたちは、週に一度、土曜日に柔道着を洗います。日本では、毎日道着を洗って、毎回綺麗な道着で稽古をするのが当たり前ですが、ここでは、洗濯機を持っていない家庭がほとんどですので、土曜日は道着に関わらず学校の制服や部屋着等の「洗濯の日」になっています。
土曜日の稽古について
土曜日にはシニア組から、今後クムジュン柔道部を率いてくれそうな選手を呼び、少人数での稽古を行なっています。この土曜日の取り組みの目的は、今後クムジュン村に指導者が誰もいなくなってしまった時、子どもたちだけで日々の稽古を続けられるようにするためです。次の指導者が来るまで、子どもたちで稽古を続けられていたら、新しい指導者からのご指導も飲み込みやすいと思いますし、何よりも「私は柔道をしている」という気持ちの維持につながることを期待しています。
また、この土曜日の稽古に来ている子どもたちが、日頃の稽古で私をサポートしてくれるようになりました。人数の多いクムジュン柔道部、時々、子どもたちが無駄話等をはじめる瞬間があります。その時は私の声が完全に消えます。そのような状況の時、土曜日に来ている10名の子どもたちが、私に変わって注意してくれ、非常に稽古の質が上がりました。頼もしい10名のリーダーが生まれました。
「僕にも教えて!」自主性の素晴らしさ
現在指導者としてクムジュン村にいるナビン君、彼もまだまだ現役ですので、全体の稽古の後、30分間彼の居残り稽古を重ねています。二人で稽古をしているとき、一人の男の子が参加したいと来てくれました。自主的に来てくれたことが、すごく嬉しかったです。そして、私が柔道着を畳んでいると、僕にも教えて!と横に道着を広げて、一緒に道着を畳む練習。クムジュン村では、彼のように、向上心を持っている子どもたちがいて、指導者としてのやり甲斐を感じさせてくれます。
そして、彼を筆頭に続々と自主練にくる選手が増え、現在は10名で居残り稽古を行なっています。