ネパール・エベレストで柔道指導を開始した山田美咲さんより活動報告No.2が入りましたので、ご紹介いたします。
JUDOsでは、山田美咲さんの活動を応援していきます。
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★今週の稽古の様子
モンジョ村での最初の柔道指導が、5月24日に終わりました。 1日2時間、計7回の稽古でした。
初日に比べ、目に見えて成長していく子どもたちを残して、この村を去るのは後ろ髪を引かれる思いですが、今回の主な活動はクムジュン村での柔道指導ですので、こちらも気合を入れて取り組みたいと思います。
モンジョ村での稽古では、受け身を中心に行いました。 【後ろ受け身、横受け身、前回り受け身、前受け身】 これらに加えて、組み方【右自然体・左自然体】から、前後左右の動き、固め技は、【袈裟固と横四方固】を行いました。
モンジョ柔道の子どもたち
山田美咲先生は、「出会う人みんなに、あなたはネパール人」と聞かれるそうです(左から3番目)
子どもたちは、後ろ受け身、横受け身、前回り受け身は怖がらずにできますが、まだ、前回り受け身のとき横にお尻がついてしまう子もいます。
前受け身に関しては、膝立ちの状態から練習しています。恐怖心がなくなるまで、膝立ちの状態での稽古を続けていきます。稽古中に使う名詞は基本的に日本語で行いました。「釣り手」「引き手」「右自然体」「左自然体」「袈裟固」「横四方固」等、子どもたちは日々頑張って言葉も覚えています。
今後、モンジョ村では、現地に住むカジ先生がご指導されます。
モンジョ村で指導を行っているカジ先生(左)と道場の教え子(右)
★モンジョ柔道での課題
モンジョ柔道に約一週間関わって感じたモンジョ柔道での課題は、学校側があまり協力的でないことです。学校の先生方の考え方は、スポーツは遊びというイメージ。
スポーツをさせると学力が下がると言うイメージを持たれています。スポーツを通して得られる、達成感、爽快感、仲間たちと協力して得られる精神的な充実、楽しさ、喜び、ストレスの解消や、柔道での全身運動で、柔軟で強い体作りができること、精神面の成長等、さまざまな効果がまだ理解されていません。
そのため、私がクムジュンへ移動した後は、毎日の稽古が、週に2回の稽古となります。 モンジョ村の子どもたちは柔道が大好きで、学業が終わったら走って道場へきて、急いで着替えて畳に上がります。子どもたちの思いに応えてあげられるよう、また、週に2回でも柔道をさせてくれる学校に感謝し、今後ともエベレスト地域で柔道の魅力を伝える活動を、カジ先生と共に精一杯頑張りたいと思います。
★モンジョ村(標高2850m)からクムジュン村へ(標高3790m)
ルクラ空港から、モンジョ村まではハードなハイキングといった感じでしたが、世界一高い柔道場があるクムジュン村までは完全にトレッキングでした。登り階段のオンパレード、トレッキングのためのスティック必須です。登っても登っても終わりが見えず、また、天気も曇りだったので景色も見ることができず、ひたすら霧の中を登りました。また、タイミングの悪いことに、生理2日目という最悪のコンディションだったのです。悪天候+生理というダブルパンチの中、カジ先生と、18歳のナビン君、ペンバ君の協力のもと、8時間歩き続け、無事クムジュン村へと辿り着きました。
モンジョ村から、クムジュン村へ行く途中、標高3440m地点にナムチェバザールという街があります。この街には、カラフルな電飾看板があったり、カフェ、バー、ATM、日本食レストランまであります。買い忘れたものは、ここで全て揃います!
人口2000人弱の村、ナムチェバザール
また、女性ならではの「生理×山での生活」について、少し私の経験を書かせていただきたいと思います。私は、生理痛は寝込むほどひどいタイプではありませんが、最初の3日間は腹痛、頭痛、倦怠感を感じるタイプです。痛み止めを服用すると、乱取りができるくらい平気になります。
トレッキング中も、腹痛を感じたらイブプロフェンを服用しました。お手洗いは3時間に一箇所ありましたので、清潔を保つことができました。しかし、お手洗いにはトイレットペーパーは備え付けられていないので、自分のリュックサックにトイレットペーパーは必須です!
モンジョ村でも、ナムチェ、クムジュン村でも、サニタリー用品は購入できますが、日本製はやはり優秀ですので出来るだけ持って来ることをお勧めします。この情報が少しでも、エベレスト街道を歩く予定の女性の方々のお役に立てたら嬉しいです!