※「シェンクワン日本祭り」の柔道体験に参加した子どもたちと
JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。
東南アジアのインドシナ半島に位置するラオス人民民主共和国でJICA青年海外協力隊として活動をしている菊地友輝さんからの報告です。
サバイディー柔道物語!No.14
JUDOsのホームページをご覧の皆さん、サバイディー!(ラオス語で「こんにちは!」)今回で サバイディ柔道物語も第14号 になりました!
最近のラオスは雨の日が多く、とーってもジメジメ…。スコールがすごくて道が浸水することもあります。逆に天気がいい日は40℃近くまで上がるので、雨が降った方が涼しくていいかも?なんて思ったりもします(笑)。皆さんも気温の寒暖差にはお気をつけてお過ごしください~。
今回は、柔道物語に 目次 を付けてみようと思います。いつもズラズラ~っと書いてしまうので、「目次だけ見れば内容がわかる!」という感じにしたら、読みやすいかなと思いまして(笑)。
- 1.ラオス北部シェンクワンで日本祭り開催!柔道指導!?
- 2.全国ラオス柔道コーチングセミナー
- 3.中国のオルドスでIJFアカデミー実技セッション
- 4.東南アジアチャンピオンシップinベトナム
1.「シェンクワン日本祭り」開催・・
ラオス北部シェンクワン県で、JICA海外協力隊の隊員さんたちが企画・実施した「日本祭り」に潜入してきました!(笑)前々から準備していたことを知っていたので、こうして実現できたのは本当に素晴らしいことだと思います。ありがたいことに柔道指導の依頼もいただき、即答で「やります!」と承諾しました。(いや、分かっていたなら最初から手を挙げて手伝えって話ですよね笑)
シェンクワン県は、私が住んでいる首都ビエンチャンより気温が10度ほど低く、標高も1000メートル高い場所。世界遺産のジャール平原や温泉、コーヒーの産地としても有名です。ほとんどの家にはエアコンがなく、代わりに毛布があるという真逆の環境。暑いときはシェンクワンにGO!ですね。日本祭りの会場には、隊員さんが朝から準備した日本食や、隊員の活動先で作られた鞄・財布・服などの展示が並びました。日本からスタディツアーとして大学生の方たちもお手伝いに来てくれていました。さらに「よさこい」や楽器演奏、ファッションショーなどの演出もあり、ラオスの子どもたちも一緒に参加して大盛り上がり。とても楽しく、有意義な時間になりました。

■私はというと…(ここから柔道のエピソードです)
柔道という言葉はまだ浸透しておらず、「テコンドー?」と聞かれることも多かったのですが、始まる前から子どもたちはテンション爆上げ。同期隊員に柔道衣を着てもらい、受身のデモンストレーションを披露すると「痛くない!」と大盛り上がり。簡単なルール説明をして、みんなで受身や打込を体験しました。一人ひとり子どもたちの投込の受けをしたときの笑顔と驚きの声は、指導者として最高の瞬間でした。休憩を呼びかけても、目を離したすきに勝手に乱取が始まっていて(笑)、しかも受身や礼まで自然にやっている姿に驚かされました。
首都ビエンチャンでは見られないやんちゃさや素直さに触れ、指導者として「この子たちならもっと伸びるかも」と妄想が膨らみました。昼休みには「先生教えてくれてありがとう、ご飯作ったから一緒に食べよう」とラオス料理をふるまってくれる子もいて感動しました。親御さんからも「ここで柔道を教えているんですか?料金はいくらですか?」と質問があり、地方では習い事の機会が限られている現状を改めて感じました。携帯ゲームに依存する子も多いと聞き、だからこそ私たち協力隊が寄り添い、子どもたちの未来を広げていく役割があるのだと実感しました。

2.全国ラオス柔道コーチングセミナー・・

赴任して初めてラオス柔道コーチングセミナーの講師を任せていただきました。教育スポーツ省の依頼で、ラオス人柔道コーチや体育学校の先生方と一緒に、柔道の歴史やルール、立技・寝技の基本動作、運動生理学から栄養まで幅広い内容を3日間かけて実施し、私は寝技をメインに、立技のサポートを担当しました。
正直、最初は「ラオス柔道のセミナーってどんなもの?」くらいの期待度でしたが、参加者や講師の真剣さに驚きましたし、私自身も学びの多い有意義な時間になりました。講義や問答に加え、最後には選手たちがグループディスカッションで練習メニューや試合前の食事について考え、発表する場面もあり、しっかりとしたセミナーに。ラオス柔道界の未来につながる取り組みだと感じました。
私の担当部分では、ふざけたわけではありませんが(笑)、できるだけリラックスして楽しく学べる雰囲気を意識しました。しっかり伝わったかどうかは…まあ、失笑が起きたときは笑ってごまかしました(笑)。

3.中国のオルドスでIJFアカデミー実技セッション・・

ラオスに赴任してからは国際大会などでさまざまな経験を積んできましたが、今回はちょっと特別で、中国のオルドス(内モンゴル)で開催された IJFアカデミーの実技セッションに参加してきました!

実技セッションを受けるには、約18週間のオンライン講習と毎週の試験をクリアする必要がありました。無事に修了したものの、ビザ取得までがなかなか大変で…。それでも「必ず受けるんだ!」という気持ちで大使館に何度も足を運び、初めての中国に到着し、緊張とワクワクが入り混じった気持ちでスタートしました。プログラムは毎日ぎっしり柔道漬け。何回投げられ、投げたか分からないくらいで、脚や腕はアザだらけ…修行不足です(笑)。各国コーチを目指すたくさんの参加者と中には世界チャンピオンやナショナルチームに携わっているコーチも。とても良い刺激です。
- 初日は登録と体力測定(あの有名な Bleep-test!シャトルランみたいなやつ)、そして投の形の1〜3。
- 2日目以降は手技・足技・腰技・捨身技と続き、午後は形の練習やフィードバック。
- 最終日には「投の形」と「100本の技」の技術試験。まさに柔道漬けの一週間でした。
実際にやってみると、形と100本の技の習熟が本当に大きな柱で、毎日のように夕方も道場に通って繰り返し練習。先生方からフィードバックを受けて修正し、また挑戦するという流れは、楽しく有意義な時間でした。

今回の経験を通じて、「柔道を海外で伝えるには、技術だけでなく、どう説明するか・どう見せるか」がすごく大事だと改めて実感しました。各国から集まったコーチ仲間と相談しながら柔道を学べたことも、とても楽しかったです。試験はもちろん緊張しましたが、終わった後にバディや参加者と分かち合った達成感は格別でした。この学びを、これからラオスの子どもたちや選手たちに還元していきたいと思います。

4. 東南アジアチャンピオンシップinベトナム!・・

昨年の東南アジア大会(Sea games)以来、今年初の国際大会でした。結果から言いますと、今回は、形の競技も個人戦も残念ながらメダルを獲得することはできませんでした。悔しさは大きかったですが、試合後に選手たちが私自身に向けて前向きな言葉をかけてくれたことが、私にとって今後への大きな原動力になったと思います。

これからは試合で見えた課題を一つずつ克服できるように、文章化して目で視て分かりやすいように、選手たちがどうやって技の攻防だったり、試合の動かし方だったり、今後の練習の仕方などと残していきたいと思います。
そして、この「負けた悔しさ」をどう継続させてモチベーションにつなげるかが、次の試合や10月に予定されているアジアゲーム(アジア競技大会)への大事なステップになるはずです。
最近は嬉しいことに国際大会に参加する機会が増えてきていて、経験を重ねるごとに選手たちと一緒に成長していると感じます。それだけ期待されていると感じながら、ラオス代表としてより高い舞台で結果を残し、政府関係者にも評価されて、もっとサポートしてもらえるような誇れる成果を目指して全力を尽くしていきたいです。

- 最後に・・
今回の試合で強く感じたのは、やはり練習量の不足です。ラオスの選手たちは「仕事」「学校」「用事」など日常の負担が多く、練習が後回しになりがち。正直に言えば、それはどうしても「言い訳」に聞こえてしまいます。それが現状です。勝負の世界で勝つためには、限られた時間の中でも個人としての練習・努力・研究が欠かせません。一方で、コーチとしては選手のモチベーションを高めることも自分の役割、そう考えると、自分自身も同じように「言い訳」をしているのではないかと痛感しました。
この経験を通して、全体練習の質を上げること、そしてラオス代表としての責任感をもっと強く持たせることが、コーチとして改善すべき点だと感じています。選手の勝敗はコーチの責任。今回の学びをしっかり糧にして、ラオス柔道の士気をさらに高められるよう工夫と改善を続けていきたいと思います。
・・・真面目な話から一転、最近は協力隊同期が帰国していて、SNSやメッセージを見ると日本食の写真がずらり…。 いいもん、全然食べたいとかじゃないもん。ラオス料理美味しいし!…って言いながら、実はちょっと同期が帰国して寂しさもあります(笑)。
でもその寂しさも糧にして、任期終了までしっかりやり切ろうと改めて感じました。 そして最後に一言――
「ラオス料理最高!…でも○郎ラーメンは別!」
おわり。
こぷちゃい。(ありがとうございました)
ぽっかんまい。(また会いましょう)
JUDOsでは海外で柔道指導をしている方々の活動記を紹介しています。興味のある方は事務局までご連絡ください。

