7月16日、本法人としては2回目となるオンラインカフェ&トークを開催しました。
今回のテーマは「海外柔道指導のリアルを語る」。
海外で柔道指導に携わっている方を中心に、これから海外での活動を目指している方など、約25名が参加しました。
ゲストには、
ウズベキスタンやUAEで活動してきた芦田弘毅さん
ミャンマーやカナダで指導経験を持つ平沼大和さん
を迎え、海外での経験についてお話しいただきました。
進行は、ブラジル男子監督など、長年海外で指導経験を持つ藤井裕子さんが担当しました。
ゲストトークでは、文化や環境が異なる海外でどのように信頼関係を築いていくのか、日本とは異なる環境だからこそ見えてきた柔道の役割や、「柔道が人と人をつなぐ力」について、それぞれの経験をもとに語っていただきました。
当日は、ロサンゼルス滞在中のJUDOs井上康生理事長もオンラインで参加。世界各地で活動する皆さんへメッセージを送りました。

後半は3つのブレイクアウトルームに分かれ、参加者同士で交流!
海外での柔道指導の悩みや課題、子どもや初心者への指導、柔道を通じた人間教育など、それぞれの経験や考えを共有しました。世界各地で柔道に携わる人たちと、これから海外へ挑戦したい人たちがつながる時間となりました。
■藤井裕子理事
参加者による意見交換を受け、藤井裕子理事がイギリスやブラジルなどでの指導経験を交えながら、海外で柔道を指導するうえで大切にしてきたことを話しました。
・「対話」を重ねて納得できる方法を探す
海外で子どもを指導すると、「なぜこの練習をするの?」「なぜ繰り返しやらなければいけないの?」と質問されることが多く、日本では当たり前に行ってきた練習の意味を改めて考え、指導方法を構築し直すきっかけにりました。
国や文化、考え方が違う中では、日本で学んだ方法をそのまま当てはめるのではなく、まず相手の文化を尊重し、日々の「対話」を重ねながら、お互いが納得できる方法を探していくことが重要だと思います。
・子どもの指導は「習得する喜び」まで
子どもの指導は、単に「楽しい」だけではなく、努力した結果、できなかったことができるようになる「習得する喜び」を感じられる環境をつくることが大切です。
挨拶や礼法、時間を守ること、道場をきれいにすること、指導者や練習相手を尊重することなど、柔道を続ける中で自然と身につくものがあることも忘れてはなりません。このことは、私自身、海外での経験を通じて、改めて柔道が持つ人間教育としての価値を実感したことです。
・オリンピックを目指す選手への指導
指導者が一方的に答えを与えるのではなく、まず選手自身の考えに耳を傾けることが重要です。選手の「こうなりたい」「ここを改善したい」という自発性や当事者意識を引き出し、指導者はともに解決策を探す「パートナー」であることが大切だと思います。
・「柔道とは何か」を考え、伝える
海外で指導するにあたっては、「柔道とは何か」「柔道の良さとは何か」を考え、伝えていくことが大切な役割だと思います。さまざまな柔道や価値観に触れるからこそ見えてくるもの、伝えられることがあるはずです。
今回は、海外で活動している人と、これから海外へ挑戦したい人の参加がありました。今回の交流が指導者募集や現地の情報、経験などを共有できるネットワークに発展させていくことができればうれしいです。
■芦田弘毅さん
藤井理事、平沼さんをはじめ、国内外で柔道に携わる先生方や、これから海外での指導を志す方々が参加されており、それぞれの立場や視点から見る柔道や、指導における工夫、異文化環境下での苦労について触れることができました。
井上康生理事長による「柔道最高!」との言葉があった通り(*)、柔道は人材育成、人的交流、スポーツ外交、日本文化の継承など、多岐にわたる可能性を秘めています。
(*井上理事長はロサンゼルス出張中だったため挨拶のみ参加。参加者の皆さんに親しみを込めて挨拶させていただきました)
私自身、海外での柔道指導に携わる中で、競技スポーツとしての価値だけでなく、柔道には人と人とをつなぎ、相互理解を深める力や日本の文化や精神を伝える力があることを実感してきました。今回のイベントを通じて、改めて柔道の持つ大きな可能性を再認識できました。
現在、海外で柔道指導に携わっておられる先生方の中には、大変な環境の中で活動されている方や、思うように指導が進まず悩まれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、皆様の日々のご尽力のおかげで、日本柔道が世界に普及し、多くの人々にその価値が伝えられていることを強く感じています。今後も各地での先生方のご活動から多くを学ばせていただきたいと思います。
最後になりますが、このような貴重な交流の機会を設けてくださったJUDOsの皆様にも、改めて感謝申し上げます。また、私の拙い経験ではありますが、お話しした内容の中に少しでも参考になるものがありましたら幸いです。
■平沼大和さん
特に印象に残ったのは「アウェーをホームにするにはどうすればよいか」というテーマでの意見交換でした。
実際に海外で活動している方と、これから海外へ行きたい大学生がブレイクルームで意見を交わしている姿を見て、経験を共有する場の大切さを改めて感じました。
私自身、海外で活動する中で、柔道をしたくても柔道衣や畳がない、指導者がいないといった現実を数多く見てきました。
柔道の普及には「人・物・金」のすべてが必要です。
物資を支援して環境を整えること、現地の指導者を育てること、その活動を継続して支えることが、地域に根づく草の根の活動につながります。
私がJUDOsと関わることになったきっかけは、ミャンマーで柔道指導をしていた際に、活動報告書を提出する機会をいただいたことでした。その後、柔道衣や畳なども支援していただき、現地での柔道の普及・発展に大きく役立ちました。帰国後、事務局へご挨拶に伺った際に「何か一緒にできることがあれば」と声をかけていただき今回のオンラインカフェへの参加につながり、このたびスタッフとして加入することとなりました。
これからはJUDOsの一員として、これまでの海外指導経験や語学力を生かし、自分にできることを一つずつ形にしていきたいと思っています。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

