ミャンマー🇲🇲より【めんでん 柔道記 No.6】

JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。

ミャンマー・ネピドーで柔道指導を行っている平沼大和さんからの活動報告です!

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めんでん柔道記
〜4,364km離れたミャンマーの地で🇲🇲vol.6〜
漢字表記でミャンマーのことを指す。旧ビルマ

少し時間が空いてしまいましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。今年も残すところ残り数日となり師走の名が表す通りお忙しいと存じます。

日本はとても寒いのは承知ですが、私が滞在しているミャンマーはネピドーでも気温が大分下がってきており、朝方になると吐いた息が白くなるほど寒いです。日本とは比べ物にはなりませんが…

 今年の一年を振り返ると怒涛の1年間でした。カナダから帰国してすぐにミャンマーへと渡緬し、柔道指導を開始。5月にカンボジアで開催されたSEA GAMEsまで突っ走り、その後、ミャンマー全国の指導者を招集してセミナー開催。練習場を屋外から屋内に移動したり、道場を設立したりと本当に色々ありました。どれも私1人では取り組むことが出来なったことで、日本の方々はもちろんミャンマーの方のご協力があったからこそここまでこれました。本当に感謝をしています。

さて、少し長くなってしまいましたが、今回は12月9日~10日とマレーシアはペナンにおいて開催された試合についてご報告させていただこうと思います。

PENANG INVITATIONAL JUDO CHAMPIONSHIP2023

今回の試合は5,134km離れたマレーシアはペナンで開催されました。ペナンはリゾート地として有名で、街中も発展しており大変活気がありました。国民の方は東南アジア系をはじめ中華系やインド系の方が多く住んでおり、宗教はイスラム教や仏教が信仰されています。今回はじめてマレーシアに渡航したのですが、大きな二つの集団が共存していてはじめて感じる雰囲気でした。


マレーシアの地図


ペナンの地図

そのため出場選手はマレーシアチームと言っても一概に言えず、様々な人種のチームがマレーシア代表として出場しており、私達ミャンマーナショナルチームをはじめ、シンガポールやインドネシア、欧州からフランスやオランダのクラブチームも参加をしており、国際大会という名にふさわしい試合でした。

 カテゴリーは幼年からカデット、ジュニア、シニア、ベテランと幅広く、私達ミャンマーチームからは幼年2名、カデット1名、ジュニア4名、シニア1名が出場し金メダル4つ銀メダル1つ銅メダル2つ(うち筆者の教え子4名がメダル獲得)を獲得することが出来ました。

 そもそも国際大会に出場する機会がなかったミャンマーチームが今回の試合に出場することができ、さらにはメダルを多数獲得できたことは、私たちにとって大きな一歩であり経験・結果ともに手にすることが出来た試合でした。

約1年間の積み重ねの成果

私が渡緬し、代表監督として活動したのは今年の2月1日からなので1年弱が経過しました。到着してまず初めに取り行ったことは信用を築くことはもちろん、チームの現状を把握することでした。下記の写真にもある通り、チームワークや体の使い方は素晴らしいものはありましたが、ごく一部の選手だけが練習ができるシステムで若手の育成が出来ていなかったり、技術の完成度が低かったり技のレパートリーが少ないという印象を受けました。特に、寝技に関しては練習時間がほとんどなく苦手な選手が多数いるというのが、2月時点での現状でした。

 なのでまず、立技・寝技それぞれの基礎動作や基本となる技術。さらに発展してそれぞれの技のアプローチやフィニッシュの仕方など私が20年間で積み重ねてきた技術と経験を毎日の練習で講義という形で盛り込みました。その際に意識していたことは「自分の持っているカードを全て見せる。強制するのではなくて、選手個人が気になったカードを自主的に取ってもらう。」でした。私自身教えていても滅多に使わない技やこだわりがある技もありますが、人それぞれ体格も違えば性格も違うのでそれら全てを教えることは不可能です。なので選手自分自身が何が必要なのかの考えを促し学ぶ機会を増やす。そういった姿勢と在り方で指導を続けてきました。

それが合っていたのか定かではありませんが、今回の試合での2/3が寝技での決着で積み重ねてきた成果を確認出来たのと同時に、やってきたことに間違いはなかったという自信と安堵を感じました。

さらに選手の1人は、自分で考えたのか動画で学んだのかわかりませんが、独特な技の仕掛けを試みている瞬間もあり守・破・離の離の可能性も垣間見ることが出来ました。


渡緬し現状をまとめたノート

今後の展望と課題

今回の試合を終えて技術的に至らない点もありますが、試合決定から帰国の一連を通して多くのことを学んだのと同時にポジティブな改善点と可能性を発見することが出来ました。例えば、試合期間においてのタイムスケジュールの管理や試合を万全の状態で迎えるために役割と権限を明確にし配分すること。そしてヒト・モノ・カネの線引きがないと収集がつかないので余白を作りつつ無駄を省くこと。さらにはミャンマーでの試合の開催やまた次の国際大会出場への糸口なども含めて多くの収穫を得ることが出来ました。

 

 一方でミャンマーの情勢も悪化しつつあり、余談をゆるさない状況です。多くの収穫や可能性があったとしても思い通りにいかないことは予想に難くありませんし、まだまだミャンマー国内で取り組むことも多くあります。そういった情勢を把握しつつ少しずつできることをやる。100点を目指す姿勢は保つが期待せずできることをしっかりやり、結果を受け止める。

今回は成功することが出来ましたが、これにあまり拘らず次へと進んでいこうと思います。

 また今後の展望においては、技術面に関して引き続き寝技の強化と打ち込み等の基礎練習に重点を置き、さらに大きな面ではミャンマーにおいての試合の開催の可能性を模索することと道場を増やすことに尽力していくつもりです。

おわりに

再度になりますが、そもそも国際大会に出場する機会がなかったミャンマーチームが今回の試合に出場することができ、さらにはメダルを多数獲得できたことは、私たちにとって大きな一歩であり経験・結果ともに手にすることが出来た試合でした。しかし平家物語にもある通り「諸行無常、盛者必衰」今回は成功することが出来ましたが、今後順調に発展できるかも、結果を残し続けれるのかもわかりません。(コロナなどの不条理や理不尽も存在しますし…)なのでこれにあまり拘らず騒がず、やるべきことをしっかりとやっていきたいと思います。

最後にありきたりではありますが寒い日が続いておりますので体調にご自愛ください。

それでは良いお年を!!


ミャンマーに帰国後にお出迎えをしてくれた際の写真

参考文献

1.マレーシアの地図/Apple Maps/https://maps.apple.com/?address=マレーシア&auid=17369995668354893553&ll=3.101033,101.627546&lsp=6489&q=マレーシア&t=m

2.ペナンの地図/Apple Maps/ https://maps.apple.com/?address=ペナン, マレーシア&auid=10407811322361329216&ll=5.353917,100.456998&lsp=6489&q=ペナン&t=m

3.Myanmar Digital News/Myanmar’s medallists return from Penang Invitational Judo Championship 2023 / https://www.mdn.gov.mm/en/myanmars-medallists-return-penang-invitational-judo-championship-2023

 

平沼大和(ひらぬまやまと)

1997年北海道生まれ、2023年ミャンマー柔道連盟ナショナルチーム代表監督。中央大学商学部会計学科卒業、体育連盟柔道部所属。柔道実業団選手としてスポーツひのまるキッズ協会に所属の後、カナダ柔道連盟ナショナルチームアシスタントコーチを経て現職。


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