JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。
アフリカ東部のケニア🇰🇪で国際柔道連盟の柔道指導者として活動をしている歌代勇祐さんからの報告です。
ハクナマタタウタタン日記🇰🇪 No.4
どうもこんにちは。ケニアで柔道指導をさせていただいております、歌代勇祐(うたしろゆうすけ)です。
12月です。師走でごわす。日本では寒さが一段と厳しくなってきた頃でしょう。体調を崩されておりませんでしょうか。こちらではジャカランダに続き、サボテンが花を咲かせ、ミツバチが小躍りしております。過ごしやすい気候のナイロビから、アイスを食べながらご挨拶を申し上げます。
Dakar アフリカンオープン2024
2024年11月21日から24日にかけて、セネガルのダカールでアフリカンオープンが開催されました。今回はこの大会について書かせてください。
っとその前に、ご忠告申し上げます。
ずいぶんと長い文章となってしまいました。下手したらスプラッシュマウンテンの待ち時間より長いです。もし時間がございましたら、読み進めていただけると幸いです。
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ありがとうございます。
続きです。
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じゃーん、見てください!
記事を書きはじめて早々に脱線して申し訳ありませんが。今回ついに待ちに待った念願のケニアカラージャージが私にも支給されました!わーい!
前回大会で支給されたジャージはこちらでした↓
Farasという企業に提供していただいたチームジャージ。
いやいや、スポンサーしていただいたわけで、文句なんて一つもありません。でも色だけ見ると…パキスタンかナイジェリア?ケニアではなさそう。
私としては少しだけ、ケニアカラーのジャージに憧れがあったわけで。せめて国旗のマークだけでも欲しかったので。
今回はがっつりケニアカラーのジャージです。嬉しい♪
私の見た目はどう見てもアジア人だけど。これさえ着ていれば一目瞭然でケニアチーム!ケニアを背負って闘ってきます!!
と意気込んで向かったのですが…
いかん。ダカール暑すぎて、ほとんど着てられなかった…。
ダカール、恐るべしです。
さて、話を戻します。
今回のダカールアフリカンオープンは、私にとって初めてのアフリカ地域での大会でした。
ケニア柔道が参加した前回大会は、10月にタジキスタンで開催されたドゥシャンベ世界選手権。世界大会でした。結果は、出場した7名全員が初戦敗退。悔しい結果となりました。
今回はアフリカ地域での大会です。アフリカオープンにおいて、ケニア柔道のレベルはいかほどか。我々はそれを解き明かすべく、アフリカの奥地へ…なーんて。私としては、“確認”なんて生ぬるい考えではありません。
“今回こそは何としても一矢報いてやる”強い決意をもって準備をしました。
アフリカンオープンに向けて強化練習
ケニアでは10月の下旬から、学校が休みの期間に入っております。長期休暇です。1月まで。ながー。長すぎて気が緩みそうです。サンタクロースがクリスマスに寝坊しないか心配になってしまいますが、私たちにとっては好都合。練習し放題です。
そんなわけで、たくさんの選手たちが集まりました。
一度に乱取り練習をするには多すぎるくらい。嬉しいことです。
今回の強化練習期間中、いつもに増して若い選手たちが集まっていました。動きの幅を広げてほしい。そんな思いから、足技の強化に焦点を当てて練習をしました。
移動打ち込み。コツを抑えて、あとはひたすら練習。
毎日毎日、何度も繰り返します。
寝技と立ち技からの移行の練習にも力を入れました。
寝技の基本、反復練習。派手さはない。
面白くはないかもしれないけれど、大切な練習です。
約3週間、ネチネチしつこく練習をしました。しつこく声掛けをします。あまりのしつこさに、年頃の女の子たちからは嫌われていたんじゃないでしょうか。ネチネチ日本人コーチと。知ったことか!!
ケニアは大きな国です。柔道チームがたくさんあります。でもそのほとんどのチームが、十分な広さの練習場所をもっていません。一度に乱取り練習をできるのは、一組か二組。そんな道場がほとんどです。そのため彼らには乱取り練習の経験が不足している、と私は考えています。
ありがたいことに、私が指導に使わせてもらっている場所には、十分なスペースがあります。広い柔道場に、向上心に燃えている選手が集まり、切磋琢磨。当然質の高い練習になります。この練習を続けることができれば、確実にもっともっと強くなる。そう感じながら見る練習とは、なんて楽しいんでしょう。
こんな練習を三週間。彼らの動きは格段に良くなりました。私にはそう見えています。いや、間違いなく成長している!
今回こそはいける。私は自信をもって出発日を迎え、ダカールに向かいました。
大会結果
ずいぶんと長くなってしまいました。お待たせしました、結果発表です。
結果としましては、銀メダル2個、銅メダル2個を獲得しました。
さて、気になるのはこの結果がケニア柔道にとってどうなのか、ですよね。
嬉しい結果なのか、悔しい結果なのか。
答えは・・・
“お祭り騒ぎ”です!!!!!
「ケニアにメダルを持ち帰ってくれ」出発日、ケニア柔道連盟の強面副会長に、こう言って送り出されました。
過去にメダルを獲得したことはあったけれど、何度もあることではないようです。そんなケニア柔道が、メダルを4つも獲得、それも2個は銀メダル。狂喜乱舞です。
帰国時、たくさんの保護者と関係者に迎えていただきました。わざわざ政府の偉い方も空港まできてくださいました。帰国後は、複数のメディアに取り上げていただきました。メダルを獲得した選手の地元では、お祝いパレードが開かれました。
こんな歓迎をされるくらいには、喜ばしい結果になったようです。
試合内容について
ダカールアフリカンオープンは、私たちにとって快挙という形で終わりました。
今回メダルを獲得した選手たちは、メダルを勝ち取りました。運よくメダルを獲得したわけではありません。胸を張れる内容でした。
メダルに届かなかった選手たち、いい内容でした。対等というよりもむしろ、押していた試合のほうが多かったのではないでしょうか。だけど、メダルには届きませんでした。善戦したけど勝てなかった。悔しいです。
まあなんにせよ、今大会が私たちにとって大きな前進であることに間違いはありません。
国際大会でのメダル獲得は、私たちにとって遠い目標ではない。彼らが証明してくれました。彼ら自身がそれを強く感じたことでしょう。これが一番の収穫です。
試合中、彼らの足技は相手のバランスを崩し、寝技は際立っていました。彼らは成長しています。思わず試合中に頬が緩んでしまいました。
ダカール観光へ
アフリカンオープンを終えたダカール滞在最終日。リフレッシュということで、観光をしてみました。
みんないい顔しています。
文章でたらたら説明するよりも、写真で見ていただくことにします。
これがケニア人です。どこでも踊るマン。
外国だって関係ない。持参したスピーカーでケニアの音楽を流して、とにかく踊ります。
君たちそこ、有名な観光地“ルネサンスの像”の前なんだけど。
まったく像を観てない。観光…とは。
ダカール遠征解散式
11月25日、ダカールでの大会を終えてケニアに帰国しました。
めちゃくちゃ私事ではありますが、この日は結婚式からちょうど丸一年でした。
せっかくなので勝手にケーキを用意して、結婚式一周年記念パーティとダカールの祝勝会を開催しました。
こちら、特注した3㎏のチョコレートケーキ。
ケニアのケーキ、意外と結構美味しいんですよ。
今回の選手たち、柔道連盟の方々、盛大にお祝いしてくれました。
いつどこで買ったのか、プレゼントまで!
民族衣装?なんだか異国感ありますね~。
これで僕らもケニア人!!
温かく受け入れられ、楽しく過ごしております♪
よし、来年も盛大に結婚式二周年記念イベントをやろう。次は5㎏のケーキかな。なんて目論んでおります。
次のアフリカンオープンに向けて
ダカールから帰国し、ひと段落。っと、落ち着いている暇はありません。というのも、来年1月にはモロッコのカサブランカで次のアフリカンオープンがあります。
今大会で発展を確認したケニア柔道連盟。勢いづいています。次の大会ではさらに多くのメダル獲得をと、期待しております。連盟だけではありません。国際大会で闘えることを知った選手たちは、次こそはメダルを、今度こそはさらに輝く色のメダルをと、とんでもなく前向きです。
早速また集まって、練習を開始しました。そんな前向きな彼らとの練習が、私にとっても楽しくなっています。1月中旬、カサブランカアフリカンオープン。気合を入れて精進します!!
柔道とは関係ないですが…
最後にまた、ケニアのことを紹介させてください。
先日、ちょっとした国内旅行にいきました。行先は、首都ナイロビから300㎞ほど北西に位置するバリンゴの湖。道中、こんなところに立ち寄りました。
これが何かご存じですかね?
おそらく誰もが知っている。けれど訪れたことがある人は、極めて少ないのではないでしょうか。
これは・・・
赤道です!!
ところでみなさん、なぜ“赤道”というかご存じですか?
赤道は太陽の光が垂直に当たります。強い太陽光によって熱が蓄積され、時間をかけて土が赤色にかわります。それによって赤道上は、赤い道のように見えるんです。これが赤道と呼ばれる理由です。
・・・。
それっぽいことを書きましたが、今思い付きで書いた真っ赤なウソです。“赤”道だけに。あっはっはっはっはー。
赤道を示す看板があります。土はまったく赤くないです。
ま、看板以外には特に何もなかったんですけどね。
さて、旅に戻ります。
今回私はバリンゴという地域で、二つの湖を訪れました。
一つ目はボゴリア湖。なんでも、天然温泉が湧いているんだとか!
みなさん、“天然温泉”ですよ?温泉文化といえば、日本人の心の拠り所。まさかケニアにも温泉があるなんて。知りませんでした。
温泉なんて、ずいぶん久しぶりです。足湯だろうか。それともがっつり露天風呂!?ケニアの温泉、楽しみです。わくわくしながら、タオルを片手に向かいました。
ところがついてみると…
足湯でも露天風呂でもありませんでした。
温泉はこれです。
岩の隙間から熱湯が。めっちゃ湧いていました。ぶっくぶく沸騰していました。
ただでさえ気温が高いのに、湯気が見えました。かなりの高温です。お湯につかろうもんなら、大火傷の大惨事です。
なるほど…。これがケニアの天然温泉…。
私はそっと、持参したタオルをしまいました。
ここでの楽しみ方の正解は、温泉たまごのようです。
完熟ゆで卵でした。
それはさておき、湖の真横に温泉が湧いているなんて。なんだか不思議です。
二つ目の湖は、バリンゴ湖です。こちらの推しポイントは、動物だそうです。期待できますね。透き通るような湖に、フラミンゴの群れ。そんな想像を膨らませながら向かいました。
こちらでは船に乗るようです。ライフジャケットを着て、いざ出発!!
水は…
めっちゃ濁ってる。
絶対落ちたくねえ。
そんな私を横目に。
現地の子どもたちは、
がっつり泳いでいました。
まじ?ここで?
日本人の私が潔癖すぎるのでしょうか。
子どもたちが遊んでいるすぐ近くには、
ワニが浮いていました。
っまじ!?!?!?!?
さすがにこれは、潔癖とかの問題ではない気がする。
ワニ、結構いました。みんな静かに浮いていました。
ここに住む人たちに
とってワニは、身近で安全な動物なのでしょうか。犬や猫のようなものなのか?ワニの立ち位置について、再検討の必要があります。
さて、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
お礼に飴を舐めてるクロヤギあげます。
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