エルサルバドル🇸🇻より【サルバドール日記!No.1】

JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。

中央アメリカの中央に位置するエルサルバドルでJICA青年海外協力隊として活動をしている深井龍河さんからの活動報告です!


サルバドール日記🇸🇻


練習後の一枚

JUDOsのホームページをご覧の皆さん、初めまして。
JICA海外協力隊としてエルサルバドルという国で柔道のコーチをしております。
深井龍河(フカイ リュウガ)と申します。

2022年度1次隊として2022年7月に現地に赴任しました。

現在はエルサルバドルスポーツ庁傘下のエルサルバドル柔道連盟に所属し、ナショナルチームをメインに活動しながら、初心者クラスへの巡回指導も行っています。

この度、エルサルバドル前柔道隊員の石﨑信太郎さんとのご縁を通じてJUDOs様でブログを執筆させていただくことになりました。

海外で得た経験や、感じたことや学んだことを皆さんに共有したいと思います。

ブログやSNSで発信する経験はあまりないので至らない点があると思いますが、興味を持っていただけたらと思います。

経歴

私の経歴は、順天堂大学スポーツ健康科学部卒業後、新卒でJICA海外協力隊に参加する予定でしたが、パンデミックにより応募が取り消しとなり、卒業後の1年間は千葉県の公立中学校で非常勤講師として勤務しておりました。その間再度JICA海外協力隊に応募し合格した後、訓練を経て現在エルサルバドル生活17ヶ月目になります。教育に携わる立場として、学校教育現場で多くの実践経験を積めたこと、特に通級だけでなく特別支援まで担当させていただいた経験は今の活動にとても活かされていると実感しています。

エルサルバドルの紹介

※一部外務省HPより引用

さて今回はNo1.ということでエルサルバドルについてご紹介したいと思います。

エルサルバドル(El Salvador)は別名、「聖なる救世主」と呼ばれている中米に位置した小さな国です。国土は九州の半分程度で人口は649万人(大体千葉県の人口と同じくらい)とされており、元々はスペインの植民地だったため、公用語はスペイン語です。

主要産業は軽工業(輸出向け繊維製縫産業)、農業(コーヒー、砂糖等)で、特にコーヒーに関しては一年中温暖な気候で栽培に適していることからとても有名です。バリスタ世界チャンピオンの称号を持つ人がたくさんいらっしゃいます。

法定通貨は主にアメリカドルですが、この国ではビットコイン(世界で初めて暗号資産を法定通貨にした)も使われています。

観光にも力を入れているようで、最近では4年に一度開催される中米カリブオリンピック、Miss Universe2023、サーフィンの世界選手権等のイベントでたくさんの外国人を招く機会があり、世界中でエルサルバドルが知られるきっかけとなったことでしょう。

現地柔道の紹介

エルサルバドル柔道の歴史は長く、過去に7人オリンピックに出場したという輝かしい経歴があります。また、今年6月に開催された中米カリブオリンピック(Los juegos centroamericanos y del Caribe 2023)では男子-100kg級で銅メダル獲得、年間を通じて行われるパンアメリカン大会(Open panamericano)では男子−66kg級の選手がコロンビア、チリ、アルゼンチン大会で3位、男子−60kg級の選手はアルゼンチン大会で優勝という成績を残しました。日本との繋がりもあり、過去に何人かの現地指導者が柔道研修、稽古に講道館や東海大学を訪れた経験があり、「日本柔道」に対する意識が強く、現地でも日本柔道を普及している印象です。礼儀や規律を重んじ、頭を下げる文化ではないにも関わらず挨拶をする際は必ず一人一人の先生に対して礼をしてから握手するといったことが当たり前に行われています。今回JICAとしては私で23代目となる派遣で、これまでの日本人指導者の方々が残してきた成果を引き継ぐことと、更なる競技力向上と柔道の普及に努めるという要請の下で活動させていただいています。


合宿にて技術指導をしている様子

終わりに

これまでエルサルバドル柔道は日本からたくさんの支援をいただき、先日はJudos様の取り組みとして石崎さんを通じて柔道着の寄贈にご協力をしてくださいました。寄贈された柔道着は現在ジュニアチームの選手達に渡り、次世代のナショナルチームとして日々の充実した稽古に有効活用されています。過去には畳の寄贈もされ、これまで多くの支援によって今のエルサルバドル柔道があると感じながら、私自身も現地で活動する一人として大変感謝しております。この場を借りて、これまでエルサルバドルの柔道の発展に寄与していただいた方々に感謝申し上げます。誠にありがとうございます。

現在17ヶ月目が経過し帰国まで約半年ほどとなりましたが、これまでたくさんの良い経験をさせてもらいました。少しずつですが、テーマを絞ってお伝えできたらと思います。

次回は4年に1度しかない「中米カリブオリンピック」についてお伝えします!

それではNos vemos! (また会いましょう!)


JUDOsでは海外で柔道指導をしている方々の活動記を紹介しています。自分の活動を発表したいという方は事務局までご連絡ください。