JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。
南アジアのブータン王国でJICA青年海外協力隊として活動をしている福井勇貴さんからの活動報告です!
カディンチェ柔道日記🇧🇹🥋3
作成日:2023/09/11
作成者:福井 勇貴
※Kadrin Chhe la(現地語 ゾンカ)ありがとう
ブータン柔道はこれまで多くの方々のご協力、支援があってここまで来ました。
そんな感謝の気持ちからタイトルコールはカディンチェとさせていただきました。
皆様、お世話になっております。
海外協力隊でブータンナショナル柔道コーチをしています。福井 勇貴(ふくい ゆうき)です。
最近ブータンでは、日本でも有名なブータン国王Jigme Khesar Namgyel Wangchuk(ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク第5代国王)の第三子が9日に誕生しました。それに伴ってブータンでは、至る所で王様の第三子誕生を祝うセレモニーが行われていました。
さて、今回のテーマは前回の最後にお伝えしたように、8月中旬から行われた南インドへの強化合宿・9月2、3日にタイにて開催されましたThailand International Judo Championships 2023へブータンから4名の選手が出場しましたのでその様子や結果についてお話しさせていただきたいと思います。
是非最後まで読んでいただけましたら幸いです。
南インドへの強化合宿遠征
8月21日から30日まで南インドバンガロールから車で約7時間のところに位置するカナルカタ、Inspire Institute of Sports(通称IIS)というトレーニングセンターで強化合宿遠征が行われました。
今回滞在したIISのトレーニング施設はインドで有名なスチールの会社(JSW)が全て管理運営しているトレーニング施設で、ナショナルトレーニングセンターのような完璧な設備環境になっています。施設内には学校、病院、整体、プール、サウナ、リハビリ施設、柔道場、陸上競技場、ジム、屋内多目的運動施設があり、インドの有力選手がここに集まって食事、生活、トレーニングが全て無償で受けられるそうです。
今回のブータン柔道チームのトレーニングは9月23日から始まる杭州アジア大会、9月2~3日にタイで開催されるThailand International Judo Championships 2023への事前合宿でした。普段のブータンでの練習は、ナショナルチームレベルでも一回の練習人数は多くても10~15名ほどで国際大会に出場しているチームの中では十分な練習が普段からできているとは決して言えません。なので、今回のIISでの合宿は普段できないような練習相手、タイプ、練習方法でとても今日な経験でものすごく有意義な時間を過ごすことができたと思います。
IISでのトレーニング、稽古について
IISでの練習では、午前中に日替わりでランニングトレーニング、ウエイトトレーニング、寝技練習を2時間程度行って、日中は体のケア、各自トレーニングの時間になっていて、午後は柔道の稽古を2時間という形で約10日間IISの選手たちとともに切磋琢磨することができました。
柔道としても非常に有意義な時間を過ごすことができましたが、このように同じ「柔道」という競技を通じてできた世界中の仲間ができていくというのは、ものすごく素晴らしいことだなと感じます。☺️
ランニングトレーニング後のIIS選手たちとの様子
Thailand International Judo Championships 2023
ブータン柔道チームはインドの強化合宿を終えてからThailand International Judo Championships 2023に出場すべくタイに移動しました。このタイの大会は毎年東南アジア、アジア諸国から多くの選手たちが参加していて、今回は東南アジアのチームに加えて、韓国、UAE、フランスなど14各国が出場しました。
今回私たちブータン柔道協会からは、55kg級イッシェイ・二ドゥップ、60kg級ガワン・ナムゲル、66kg級キンレイ・ツェリン、73kg級タンディン・ワンチュクの4名が出場しました。
55kg級の選手を除いた3名の選手は4月にクエートで開催されたAsia Open Championships 2023 Kuwaitに出場しました。しかし、全員が一回戦で敗退という結果に終わってしまいました。
今回のタイでの大会はどうにか一回戦はきちんと勝ち上がって3位以上の入賞を目標に大会に臨みました。
そして今回の大会結果は55kg級3位、60kg級一回戦敗退、66kg級2位、73kg級5位という結果になりました。アジア大会の前哨戦として今回の大会に臨みましたが、結果に繋げることができてよかったです。4月の大会以降様々なことを見直して、一人一人が各自で毎月具体的な目標を立ててその目標を紙に書いて柔道場の誰もがみる壁に貼って、その目標を月末に必ず達成していくということをしていきました。時としてかなり厳しい目標を立てた時もありましたが、彼らは一歩一歩筋力、柔道ともに成長していきました。
そしてその結果が今回の大会結果になったと思いますし、今回の結果は彼らにとっても大きな自信になったと思います。
柔道に限らず多くのスポーツにおいて、大会ので結果、普段の努力によって身につけた自信というものは非常に大事だと思います。そして、その身につけた「自信」をもって戦うというのは時として普段以上の力を引き出すこともあると私は思います。
しかし、その自信を身につけるにも普段からの頑張りや努力、継続があってのものだと思うので、次の大会までの期間彼らとともに普段のトレーニング、稽古に精進していきたいと思います。
さいごに
今回のタイでの大会では2人の入賞という成績を残すことができましたが、私たちはこれで満足してはいけないと思っています。彼らはもっともっと上に行けますし、もっと強くなれると私は思っています。そして今回自分の思っていた結果を残せなくて悔しくて会場で泣いていた選手もいましたし、もちろん多くの課題を見つけることができました。それでもこそ柔道,スポーツの素晴らしさだと思います。勝つことはもちろん素敵なことですし、嬉しいことですが、負けを知ってからより1段階、二段階人は成長できると私は思います。
次の中国で開催される杭州アジア大会に私たちは出場します。
その大会までの今回の見つけることができた課題などを見つめ直して万全な準備をしてもう1段階成長していきたいと思います。
このように私たちがブータンで柔道に打ち込むことができるのは、これまで多くの方々によるご支援、ご協力があっての今になっていると思います。
そんな方々への感謝の気持ちを忘れずに今後も活動をしていきたいと思います。
次回について
次回は9月23日に中国杭州にて開催された杭州アジア大会2023に私たちブータン柔道協会から3名が出場しました。その様子や大会結果などをお伝えしたいと思います。
少しでもこの記事を見てブータン柔道について興味を持っていただいたり、応援してくださると嬉しいです。
さいごまでご覧いただきいただきありがとうございます。
Kadrin Chhe la(現地語ゾンカ)ありがとうございました。
Lok jae ge la(現地語ゾンカ)また会いましょう☺️
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