2023年5月、ネパール・エベレストで山田美咲さんが柔道指導を開始しました。エベレスト柔道へは、JUDOsも畳や柔道衣の支援を通して交流を持っていきました。
山田美咲さんより活動報告が入りましたので、ご紹介いたします。JUDOsでは、山田美咲さんの活動を支援していきます。
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2023年5月16日
まずは自己紹介、それからエベレスト柔道について
初めまして。この度、ネパール、エべレスト地域で柔道指導をさせていただきます。
山田美咲27歳、大阪府枚方市出身です!
2023年5月16日、エべレスト地域にある標高2850mに位置するモンジョ村へ向かい、10日間滞在します。
エべレスト柔道が始まったのは、まさにここ「モンジョ村」
ある日本人の柔道家が、エべレストベースキャンプを目指してトレッキングし、下山の際に偶然訪れたロッジ。そこのオーナーが、元柔道家でありネパール代表選手になるほどの実力者、カジ先生だったそうです。
カジ先生は生活のために、柔道を辞めざるをえなかったそう。
カジ先生は、ずっと「シェルパ族の子どもたちに柔道を教えたい」と熱い想いを持っておられ、その運命的な出会いがきっかけで、その日本人の柔道家がモンジョ村へ畳を送り、2016年6月21日、多くの子どもたちが柔道を始めることができたそうです。
モンジョ村の子どもたちの学校は4、5歳から13、14歳まで。(日本でいう幼稚園〜中学レベル)そのあとは、カトマンズの学校に行くか、標高が約1000M上がるクムジュン村へ17歳まで学校に行きます。(日本でいう高校レベル)
このクムジュン村は標高3790M。ほとんど富士山(標高3776m)の頂上と同じ高さの場所です。2020年11月12日、認定特定非営利活動法人JUDOsにより、この村にも畳が寄付され、クムジュン学校に柔道場が完成しました。
私が驚いたのは、そこには80人もの柔道をしている生徒がいるとのこと。
日本でも80人もの部員を抱える高校柔道部はなかなかないのではないでしょうか。
そして、2023年6月。エベレスト街道の入り口、ルクラという村の隣町チョウリカリカの学校に、柔道場ができます。チョウリカリカは、標高2805M。近くまでカトマンズから飛行機で来れます。モンジョ村まで登ってくるハイキングが難しい場合は、ここでもエベレスト柔道に触れ合うことができます。
エベレスト柔道の未来は、希望に満ち溢れています。
ここまで、柔道が盛んになっているエベレスト地域での現在の問題、それは指導者がいないということです。
この話を聞いた時、何か私にもできるかもしれない!と、エベレスト柔道へ長期指導者として滞在することに手を挙げました。たくさんの方が、応援してくださったおかげで、実現することができています。
これから、10日間モンジョ村の学校、そのあと60日間クムジュン村の学校、それからチョウリカリカにて10日間、エベレスト柔道の発展への協力に全力で挑みたいと思います。
この【タシデレック⭐︎エベレスト柔道】、タシデレックとは、エベレスト地域で使われるチベット語で、挨拶・祝福・幸運を祈る言葉です。真ん中の星は、このエリアでは、夜空の星がとても綺麗だから。空気が澄んでいて、街の灯りも消えるので、すごく綺麗に星が見えます。エベレスト柔道に訪れられた際は、是非一度、ここからの夜空を見上げて欲しいです。
【タシデレック⭐︎エベレスト柔道】で、週に一度近況報告を行いたいと思っています。
内容としては、今週の出来事、これまでの課題、今後の目標等、書いていきたいと思います。いろんな方々に読んでいただければ嬉しいです。
トレッキングと柔道
早速ですが、昨日のトレッキングの様子を振り返ってみたいと思います。
6時15分、カトマンズ発の飛行機でエベレスト街道の玄関口、ルクラへ向かう予定でした。しかし、前日に降った大雨の影響で、大きな雲ができてしまい…
なかなか飛行機が飛ばず、伸びて伸びて8時半、やっと飛行機に乗ることができました。
「この飛行機で、左側の席に座ったらヒマラヤ山脈が綺麗に見えるよ」と、事前情報をいただいていたので、すかさず左側の席に座りましたが、大きな雲が丸っとヒマラヤ山脈を隠していたので、残念なことに全く見れませんでした。
ルクラといえば、世界一危険な空港と言われる、テンジン・ヒラリー空港。
滑走路がすごく短いんです!ドキドキしましたが、さすがプロのパイロット。
天候が悪く視界も良くない中、難なく着陸していました。
エベレスト街道に入る前のお土産屋さんで、日本語の看板発見。中には、優しい日本人女性がいらっしゃいました。10年ルクラに住んでおられるとのこと。トレッキングや高地での生活のアドバイス等をいただきました。
そして、いよいよエベレスト街道の入り口へ、とてもかっこいいゲートがあります。
中に入ったあと、入山料5000ルピーを支払い、続く道へただ、前に進んでいきます。
モンジョ村までは、トレッキングというより、ハードなハイキングといった感じでした。登山素人の私の足で、3回のお茶休憩を含めて7時間で到着しました。
7時間ひたすら歩く中、感じたことがあります。
「柔道に似てる」
一歩ずつ、一歩ずつ進んでいく。小さい歩幅で着実に一歩ずつ。
早く前に進みたいからといって、大きな歩幅で早く歩いてしまうと、後々体力がもたず長い休憩が必要になります。最悪の場合、高山病になって下山って事も。
それは柔道も同じ。強くなるため、技を自分のものにするためには、地道なスモールステップな努力が必要です。反復、反復、反復、反復、、、、、本当にスモールステップです。全然かっこいいものでもないし、面白いものでもない。受け身の練習を怠ると怪我をします。技練習の工程をスキップすると、その技は身につかず、教えてもらったその日で終わってしまいます。私にも、その経験があります。
トレッキングも似ていました。
とにかく前に歩き続ける。
但し、小さい歩幅でゆっくりと。
歩き続けることで、見たい景色が見られ、目的地に辿り着けます。
柔道も、スモールステップを続けることで、目標に辿り着ける。
時々険しい道もあるし、怖い吊り橋もありました。他に道があるなら避けたい道です。
でも、前に進むしかない、何度も何度も繰り返すことで見えてくるんです。何がスモールステップか。
大きい岩でできた階段も、良く見ると小さい岩があって簡単に階段を上に上に登って行くことができます。長くて下が丸見えな吊り橋も、下を見ずにゆっくり前に足を出していくと渡れるんです。
柔道だけではなくて、人生にも似てるような気がします。
初めてのトレッキング。すごく良い経験になりました。
モンジョ村からクムジュン村までは、もっと険しい道になるそう。
一歩一歩頑張ります!
日頃から、このような場所で生活しておられるシェルパ族の方々、柔道がもっと盛んになったら、最強柔道家が生まれるに違いありません。
最初のスモールステップのため、指導者として頑張ります。
⭐︎トレッキングの様子を、ショートビデオにしています。ぜひご覧ください!
https://www.facebook.com/100012423311865/videos/753108059883220/
Tashi Delek!
山田 美咲