9月29日(木)、井上康生理事長よる「柔道教室」をポーランド・ウクライナチームに向けて開催いたしました。
ポーランド・ウクライナチームは、東海大学スポーツプロモーションセンターが中心となって日本に招へいし、福岡県宗像市で開催された第37回玄海旗中学生柔道大会に出場、その後関東に移動し、講道館や東海大学で研修を行いました。
29日は、平塚市柔道協会のご協力の下、平塚市立金目で柔道交流を行う予定でしたが、急遽中止となってしまいました。とても残念でしたが、違う形で柔道交流をと考え、東海大道場での井上康生理事長の柔道教室を実施しました。
初めは緊張した面持ちの子どもたちでしたが、井上理事長が内股を披露すると一気に柔道モードに。前のめりになって技を見ていました。また、サポートに入ってくださった東海大学柔道部の皆さんにも乱取りをしてもらい、自分より大きなお兄さんたちを投げることができてうれしかったようです。
↑技の説明を行う井上理事長、通訳は東海大学職員の原口直也さんが務めました
↑憧れの井上理事長と乱取りができて夢のようだったと語ったフィリップコーチ、投げられてもうれしそうでした
↑練習後に、井上理事長に駆け寄るウクライナ避難民のロスティック君とキリル君
↑平塚市柔道協会が用意してくださったプレゼントを井上理事長が代わりにお渡ししました。中には、皆の願いが叶うようにと平塚市で作られたダルマなどが入っていました
↑鈴木事務局長とウクライナ避難民のキリル君
井上理事長は、次のように話していました。
「柔道教室では、皆さん、とても楽しそうに柔道をする姿を見させてもらいました。子どもたちだけでなくコーチの皆さんとも組みましたが、とてもうれしそうな様子をされていて、私の方もうれしく思いました。
今回の来日ではまず福岡で玄海旗に出場し、同年代の日本の子どもたちと試合をして、柔道交流をはかることができたということで、素晴らしい経験になったのではないかと思います。また、今日の柔道教室開催にあたっても、平塚市柔道協会の皆さんのご尽力があり、また、前日には竹内先生のはからいでウルフ選手、ベイカー選手とも乱取りをしたということで、これもまた最高の思い出になったのではないでしょうか。
ウクライナ情勢に出口が見えないなか、不安や恐怖と隣り合わせの毎日を送っていると思います。今回の来日ではみんなが大好きな柔道を通して、少しでもそうした気持ちが和らいだり、つらいことを忘れられる時間になったのでは、と思っています。
私もみなさんと交流できて楽しかったです。みなさんの今後の活躍に期待しています」
乱取りに参加した鈴木事務局長はこう話していました。
「練習前、初めてみんなと会った時、少し疲れているのか暗い表情の子が数人いるように感じました。でも、柔道教室が始まって、井上先生の技を見ていくうちに、目つきがどんどん変わっていって、キラキラとした目になっていったのが印象的でした。
自分も乱取りに参加しましたが、初対面でも『よろしくおねがいします』と挨拶をして、組み合うと距離感がすぐにぐっと縮まる、触れることでいろいろわかり合える柔道の魅力を感じました。
一番初めの乱取り相手は、コーチのフィリップ先生になってしまって驚きました。お互いに一本も技をかけずに、けん制しあって終わりましたが、最後、お互い『がっちり』握手して終わりました。
子どもたちは、こちらの話をしっかりと目を見て聞いていて、我々に対してのリスペクトを感じました。コーチもアクションでも言葉でもリスペクトを表現していたからかもしれません。また、みんなに会いたいなと思いました。会えそうな気もしています。それは、アスリートとしても大成しそうな子がいたからでしょう。また、何か交流をすることができたらと思います」
なお、今回の柔道教室には東海大学から次の7名がサポートに入ってくれました。
池田希さん(体育学研究科2年)、田中陸さん、長谷川明伸さん(ともに体育学部武道学科4年)、福田虎輝さん、勝野好誠さん(ともに同3年)、古川要さん(同生涯スポーツ学科3年)、上條宝来さん(政治経済学部経営学科3年)
福田さん、古川さん、上條さん、勝野さんは、高校生の時にポーランドに研修に行っており、来日メンバーの中には久しぶりの再会となった人もいたということです。
今回の井上理事長の柔道教室は、柔道部の練習終了後の午後8時からの開催となりました。皆さん、遅い時間にもかかわらず、ありがとうございました。