ポーランド・ウクライナチーム受入の感想

2022年9月15日~30日、東海大学スポーツプロモーションセンター(SPC)が中心となり、ポーランド・ウクライナから中学生を中心とした柔道チームを招へいしました。JUDOsはそのうちの26日(東京研修)、29日(井上理事長の柔道教室)を担当し、皆さんと交流の機会を持つことができました。

受け入れ元である東海大学スポーツプロモーションセンター職員の原口直也さんより、感想が届きましたので紹介させていたします。

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 今回、東海大学の職員として、初めて外国からの柔道チーム(ポーランド・ウクライナチーム)を学校法人東海大学主催の大会(玄海旗)へ招待しました。また、それだけでなく、その前後に柔道研修・交流プログラムを企画し、約2週間(9月15〜30日)、福岡・東京・神奈川で受け入れました。

 受け入れたのは13歳〜15歳までの中学生9人(ポーランド国籍4人、ウクライナ国籍5人)を中心としたスタッフを含む17名のメンバーです。ウクライナ国籍5人の中には、ロシア軍の進軍によりポーランドへ避難をしてきた避難民が3人いました。

ビザの取得から彼らに関わってきましたが、新型コロナウイルス感染症による水際対策により、受け入れに必要な手続きが非常に多く、来日するまで様々な課題がありましたが、必ず日本に入国させなくてはとチームの代表と細目にコンタクトを取りながら手続きを行いました。実際にポーランド・ウクライナチームを空港で出迎えた際、ホっとした気持ちになりました。彼らが到着ゲートから出てくるまでの私の心境は、自然に接しようと思いながらも、どうしても避難民の彼らとどの様に接すればいいのか、どんな言葉をかけてあげればよいのかとばかり考えてしまい戸惑っていました。しかし、ゲートから出てきたチームの雰囲気はとても明るく、改めて名簿と照らし合わせないと避難民の子どもがどの子なのか分からないほどでした。正直、チームは彼らに対し慎重に気を使っているのかと思っていましたが、チームを見た瞬間、「どの様に接すればいいのか、どんな言葉をかけてあげればよいのか」という考えはどこかに行き、自然に接していました。


ERFS(入国者健康管理システム)やVISA申請を行う原口さん

 玄海旗を終え、福岡から神奈川に移動した研修の終盤には、SPCの竹内徹先生のご厚意で、東海大柔道部の練習の合間にウルフ・アロン選手とベイカー茉秋選手をゲストにサプライズ柔道教室を開催してくださいました。約140人の東海大学柔道部員の中から突然目の前に現れた金メダリスト2名にポーランド・ウクライナチームはびっくり! 大変な衝撃を受けていました(特にコーチのフィリップ先生は手が震えるくらい感激していました。)。憧れの選手が多く所属する東海大学の道場に立つことができ、大感激だったようです。


東海大道場で記念撮影をする来日したメンバーとウルフ選手、ベイカー選手。この日まで原口さん(後列左)は柔道衣を着ることはなく、サポートに徹していました

 この2週間彼らと共に行動を共にしましたが、9月29日に行われた井上理事長の柔道教室で、初めて私も柔道衣を着て参加しました。チームのみんなからは「柔道するの??  事務サポートだけだと思っていた」と驚かれました…。てっきり、皆さんは私のことを東海大学の引率スタッフだと思っていたようです。

憧れの東海大学で井上康生先生の柔道教室が始まると、皆、本当にうれしそうで楽しくてたまらないという感じがしました。「夢がひとつかなった!」という選手もいました。


原口さん(右)がフィリップコーチ(ポーランド)に巴投げ!

私もポーランド・ウクライナチームの子どもたちと組んでみましたが、力が強いことに驚きました。高校生と組んでも力では負けないような…。運動能力も高いので、力の使い方を理解すればさらに強くなると感じました。特にグレップとロスティックは、大きなしっかりした手ーーいわゆる「柔道の手」をしておりとても印象的でした。

また、みんな、打ち込みや投げ込みを見ると技が綺麗でした。井上先生はそれを見て、崩し、作り、掛けを含め、動きながらの練習方法など、彼らにも大切な練習方法を教えていました。

さらに感じたのは、コーチと選手の信頼関係があるように見えたことです。普段からコーチの指導方法が良いのが伝わってきました。研修期間を通して、トラブルの報告が全くなかったことにも驚きました。指導が選手に行き届いていれば、選手も信頼し彼らについて行きます。今回の研修を通してコーチと選手との絆はさらに深まったことでしょう。とても良い研修となったのではないかと思います。

今回、ポーランド・ウクライナチームを受け入れ、これまでにない新しいやり方で柔道交流ができたことは、大変有意義でしたし、今後につながっていくと思います。

玄海旗を運営してくださった東海大学福岡高校の教職員の皆さま、玄海旗柔道教室をコーディネートしてくださった中村兼三先生をはじめ全日本柔道連盟の皆さま、東京研修から井上先生の柔道教室までサポートいただいたNPO法人JUDOsの皆さま、本当にありがとうございました。この場をお借りして感謝申し上げます。

この研修を通して、ポーランド・ウクライナチームの選手はいろんな笑顔を見せてくれました。日本の高校生・中学生との交流会、試合をした選手との絆、スーパーヒーロー(メダリスト)との交流等、純粋な笑顔を見て、改めてこの笑顔が1秒でも長く続いて欲しいと強く感じました。


ポーランド・ウクライナチーム受け入れに尽力された東海大学SPCの佐藤友信さん(左)、水谷早希さん(中央)、原口さん(右)

東海大学 スポーツプロモーションセンター
原口直也