日中友好青島・南京柔道館に指導者を派遣しました!

NPO法人JUDOs(以下、本法人)では、2019年9月12日(火)~17日(木)の日程で、①中国における柔道普及状況の視察、②中日友好南京柔道館開館10周年に向けた関係者との打合せ、③柔道指導及び今後の交流発展に向けた関係者との打合せをするため、光本健次(本法人国際担当師範)、鈴木利一(本法人事務局長)、山口輝義(学校法人東海大学職員)の3名を青島・南京・上海に派遣しました。

 中国との交流はNPO法人柔道教育ソリダリティーの活動を継承するもので、「柔道を通じた青少年育成と相互理解」「日中の友好親善」を目的としています。特に青島と南京では地元からの要望に応える形で、外務省の草の根交流資金を活用した中日友好柔道館が建てられ活動してきました。本法人はこれをさらに発展させていきたいと考えています。

【青島】

中日友好青島柔道館は開館から12年が経過し、現在14名の指導者が約200名の生徒を指導しています。また柔道の教育効果が評価され、学校教育にも導入されるようになりました。現在、小学校2校、中学校3校、高校2校、大学1校で授業が行われているとのことで、今回は1952年創立の中国海洋大学付属中学校(山東省青島第39中学校)を視察するとともに、校長の白剛勛先生の話を伺いました。同校は常設の柔道場で授業を行っています。柔道がきっかけとなり、東海大学付属福岡高校と交流協定を締結。今後は学校間の交流を発展させたいとのことです。

9月13日(金)の午後は中日友好青島柔道館において柔道教室を開講。幼児から大人まで約100名の参加者に、基本動作と基本技術を中心に指導を行いました。参加者に対し、初代館長で青島市柔道協会会長の徐殿平先生がNPO法人柔道教育ソリダリティーを含む今までの経緯を紹介。光本師範は本法人がその活動を継承していくことを説明。柔道が教育プログラムとしても重要な役割があると述べると、後方で話を聞いていた保護者から大きな拍手が起こりました。

2時間にわたる柔道教室は、柔道教育ソリダリティーのコーチングセミナーで学んだ6名が中心になって運営。コーチングセミナーの役割と、彼らの存在の大きさを感じました。

柔道教室の様子

このように青島においては中日友好柔道館の活動が起点となって地域社会にも柔道が浸透していますが、「活動を拡大するために更なる指導者育成が必要であり、JUDOsに協力いただきたい」と、徐先生から要望がありました。また、中国柔道連盟からは別の都市にも中日友好柔道館を建設して地域の青少年育成と柔道普及の拠点にしたいとの声が出ているとのことで、10年間の活動が、中国内で高く評価されている様子がわかりました。

【南京・上海】

中日友好南京柔道館は南京市重競技運動学校内にあり、運動学校と柔道館の生徒で施設を共有しています。開館から9年が経過し、青島同様に学校の授業に採用されるなどその活動が評価されています。「江蘇省全体の柔道人口が増加した」と中日友好南京柔道館館長と運動学校校長を兼務する劉俊林先生から感謝の言葉がありました。

9月15日(日)に行った柔道教室には、江蘇省代表チーム、南京市代表チームなど5チーム、幼児から指導者まで約130名が参加。基本動作は勿論、代表チームも参加していることを考慮し、立技と寝技の実践的な指導も行いました。

南京市を構成する11の行政区の一つ、溧水(りすい)区では小学校に柔道の授業が設けられているとのことで、この学校(実験小学校)を視察。私たちのために、この秋学期から授業を受ける生徒など約400名が体育館に集まり、柔道を紹介するセレモニーが開催されました。小学校に続き、この夏に開館した中日友好南京柔道館溧水分館も視察。柔道を支援する地元企業のビルの中に、宿泊施設とトレーニングルームを持つ立派な施設でした。私たちの訪問に合わせてNPO法人柔道教育ソリダリティーに対する感謝状贈呈式と光本師範に対する終身国際主席師範招聘式が行われ、この模様は江蘇省教育テレビが取材し夜のニュースで放映されました。

 来年、開館10周年を迎える中日友好南京柔道館では、柔道以外のスポーツ・文化活動にも交流を広げるための記念式典を計画。柔道教育ソリダリティーとJUDOsの関係者も招待したいとのことです。

江蘇省教育テレビの取材を受ける光本師範

上海に移動し、日本総領事館の磯俣秋男大使及び総領事館関係者に南京の様子を報告。磯俣大使には現在の活動内容は勿論、「文化交流に拡大したい」という南京側の声を高く評価いただきました。

今回の中国訪問に際し関係の皆様には大変なご配慮、ご協力を頂きました。特に青島の王華先生、李江先生、南京の宋其涛先生、常東先生及び通訳の王磊様には中秋節の連休中にもかかわらず付きっきりでサポートいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

報告者 山口輝義