JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。
西アフリカでサハラ砂漠西南端の国、セネガル🇸🇳でJICA青年海外協力隊として活動をしている三浦啓瑚さんが、海外での柔道指導便りに参加してくださいました!2024年11月よりセネガルの首都ダカールで活動を始めています。『セネガルで指導者やってみた!! 』Part1です。
セネガル🇸🇳で指導者やってみた!! Part1
派遣隊次:2024年度2次隊
派遣国:セネガル
氏名:三浦啓瑚(みうらけいご)
自己紹介
Assalaa maalekum(アッサラーマレイクム)!! Nangeen def(ナンガデフ)?
皆様、初めまして2024年度2次隊でセネガルに2024年11月から派遣されています三浦啓瑚(みうらけいご)と申します。
最初の言葉はセネガルで話されている「ウォロフ語」でのあいさつで
「こんにちは!! 調子はどう?元気?」という意味です。
現在、セネガル柔道連盟に配属されていますが、主に首都であるダカールの「LamineGueye(ラミンゲイ)」中学校・高校で各地方から強化目的で招集され、寮生活をしている中高生たちをメインに指導させていただいています。また、連盟の技術顧問の方たちと共に各地方を巡回し、技術指導・2026年のセネガルユース五輪のための選手発掘と強化に励んでおります。
任地紹介
セネガルと聞いて、皆様は何か思いつきますか??
私は任地が決まった時は「セネガル…?」という感じでした💦
そのため、まず簡単なセネガルの説明をさせていただきます!!
- 面積:197,161㎢(日本の約半分)
- 人口:1,732万人
- 首都:ダカール
- 民族:ウォロフ・プル・セレール等
- 言語:フランス語(公用語)・ウォロフ語など各民族語
- 宗教:イスラム教・キリスト教・伝統的宗教
- 国祭日:4月4日(独立記念日:1960年4月4日)
「セネガル共和国/外務省-アフリカ」から抜粋
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senegal/index.html
セネガルはアフリカ大陸の最西端に位置し、大西洋に面しています。私の住んでいるダカール・プラトーからは10分くらい歩いたら大西洋を一望することができます!
国の形が人の顔をしていて、ちょうど鼻のようなところ(ダカール)が船を用いた国家間移動の際の休憩地点とされていたらしく“アフリカの鼻”と言われていたと灯台の説明をしてくれたおじさんが言っていました(本当かはわかりません…)
独立以来一度も、クーデター・内紛がなく西アフリカでもかなり政治的安定を誇るような国ともされています。しかし、セネガルは“奴隷貿易”が行われていた歴史も持っています。
気になる方は「セネガル 奴隷貿易 ゴレ島」などと調べてみてください。
多くの方が題名だけでも一度は聞いたことはあるんじゃないかなと思う本『星の王子様』もセネガル(サン=ルイ島)がモチーフとなっています。この本に登場する“バオバブの木”は国のいたるところに生えています。
他にも、スポーツでは“サッカー”や“セネガル相撲”が盛んで、国技であるセネガル相撲の試合では、地域の人たちが全員で1人の選手を試合に送り出すための準備をするくらい神格化されているスポーツでもあります。
日本との交流も深く、街中で声を掛けられたときに「柔道家だよー」と自己紹介すると、次に会った時に「先生!!」と言われるくらい柔道も盛んに取り組まれています。
JICA海外協力隊も2025年でセネガル派遣開始から45周年を迎えるくらい長い交流関係があります。
セネガル柔道事情
私は配属される前に“Olympic club”というところで幼児クラスの指導の様子を見学させてもらった時に「あれ、教えることってあるのかな??」と感じる程しっかり行われていました。発達段階に合わせた指導が行われていて、他の道場などでも強くなりたい・楽しくやりたいという子たちが混在する中でも熱量の差があまり感じられないような雰囲気となっています。
Olympic clubの練習の様子
私の要請内容は「2026年のユース五輪に向け選手及び指導の技術向上を図る」がメインで掲げられていましたが、今では私が勉強させてもらってばかり…。
聞くところによると、多くの子どもたちが6歳くらいまで柔道をして礼儀作法を学び、そこから自分がやりたいスポーツを選んでいくそうです。そのため、自分の指導先だけでなく他のスポーツに取り組む多くの子どもたちが礼儀正しく、挨拶をしてくれます。
柔道の指導者の中には、講道館で柔道を学んだという方も多く、日本の柔道をかなりリスペクトしている様子が伺えます。しかし、セネガルへの柔道隊員の派遣は初めてで、派遣前に講道館で行われる“派遣前課題別訓練”ではセネガルの柔道事情についての情報は全くない状況でした。道着などの提供は行われてきていますが、私がきっかけでセネガルへ道具だけでなく人材の派遣も続いてくれたらいいなと感じています。
最後に
今回は簡単なセネガルの紹介で終わってしまいましたが、次回からは活動先での様子や、私が現在取り組んでいる「栄養新聞」や「体力測定」などについて書いていきたいと思います!
このブログを通して、スポーツ・武道を通した国際交流・協力に興味を持っていただき、身近ではない国の人々の良いところなどを知っていただければなと思います!!
Jërëjëf(ジェルジュフ)!! ※「ありがとう」という意味
JUDOsでは海外で柔道指導をしている方々の活動記を紹介しています。興味のある方は事務局までご連絡ください。