ラオス🇱🇦より【サバイディー柔道物語!No.6】

JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。

東南アジアのインドシナ半島に位置するラオス人民民主共和国🇱🇦でJICA青年海外協力隊として活動をしている菊地友輝さんからの報告です。


サバイディー柔道物語!🇱🇦No.5

※写真:ラオス柔道の選手たちとの試合後の写真(メダル嬉しそう!)

JUDOsのホームページをご覧の皆さん、ສະບາຍດີ!(こんにちは!)

JICA海外協力隊として東南アジアのラオスという国で柔道コーチをさせていただいています。菊地友輝(キクチトモキ)です。

サバイディー柔道物語も第6号になりました!年も明けて、「あー2月も終わりかー早いよねー」と同期と話していたら、もはや3月も終わってしまう。ラオスは4月のお正月に向けて着々と準備がされています。ラオスのお正月は何するの?っと気になる方!詳細は第5弾をご覧ください(笑)

ラオスの気候は雨季と乾季とありますが、これからの3月から4、5月と掛けて徐々に気温も暑くなり4月では一番暑い時期となり最高で約42度になると話を聞いています。体感温度を考えるとサウナ状態の可能性もありますね。私がラオスに着任した頃は5月半ばなのでまだ体験していません。逆にどのくらいの暑さなのか、ラオスのお正月(ピーマイラオ)水かけ祭りがどれほどなのかこれからが楽しみです!

ラオス柔道の現状とコーチとして・・

現在、ラオス柔道連盟では、4月末にタイ・バンコクで実施されるアジア大会に向けて、選手たちの練習が追い込みの時期を迎えています。この時期は、選手たちにとって身体的にも精神的にも非常に厳しい時期であり、練習メニューを一層ハードに変更し、日々の努力が求められます。また、監督やコーチにとっても、この時期が重要な役割と考えていて、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、サポートする責任があります。普段の生活の中で、選手一緒にご飯食べたり、最近の出来事や悩みを聞いたり、彼氏、彼女との様子を聞くことも大切だと考えています(笑)ラオスでは当たり前・・!?

ラオスコーチとして私が常に考えているのは、選手たちが試合までのモチベーションをどのように維持し、精神的にも安定した状態で本番に臨めるかということです。ラオスコーチとしてというのは、選手と同じように指導しているコーチ勢、柔道をする環境によって変化すると思うからです。国や地域、今までやってきた練習の内容によっても異なるかなと。練習の追い込み時期、選手たちは肉体的に限界を感じることも多く、練習を休むこともしばしば。同時にプレッシャーや不安からくる精神的な負担も大きくなります。そんな中で、いかにして彼らがベストな状態で試合に臨むために精神的な支えを提供できるかが、私たちコーチ陣の大きな役目だと考えています。日頃の話し合いが大切だと感じますね。

試合前の追い込み時期、選手たちの身体や心が削られていく中で、モチベーションを保つことは決して簡単ではないと思いますし、それは、私も学生時代は経験がありました。しかし、私たちコーチが選手一人ひとりに寄り添い、励まし、ときには彼らの苦しみを共有することが重要だと考えています。強みも弱みも含めて、どんな言葉やアドバイスが彼らの心に響くのか、そして、選手たちが「これならやり切れる」「この練習を乗り越えれば試合で結果を出せる」と自信を持てるような状況を作り上げていくことが、コーチの役割だと強く感じています。

さらに、選手たちが最適な状態で試合に臨むためには、精神的な準備も不可欠です。アジア大会や他の大会でも大きい、小さい関係なく、試合という舞台では、プレッシャーや緊張感が常に付きまといます。その中で、選手たちが冷静に自分の力を発揮できるようにするためには、普段の練習で「キツイなー」とか、「もう少し頑張ろう。」と、感じ、それを耐えられる練習こそが精神的試合前の不安やプレッシャーを軽減し、選手たちがポジティブな気持ちで試合に臨めると思います。それを必ず導いていければの話ですけどね。絶対はないですし、でもそこが勝負の面白いところでもあります。(笑)ちょっとズラズラ語って、締めが決まらないのでここらで止めておきます!次章に続く・・(笑)


演武会の集合写真の様子

演武会開催・・

先日、在ラオス日本国大使館主催の演武会が開催され、ラオスの武道(柔道、剣道、空手、合気道)と、ラオスで人気のあるスポーツ(テコンドー、バレー、ラグビー、綱引き)が一堂に集まり、各競技のデモンストレーションが行われました。このイベントは毎年実施されており、今年で第22回目を迎えています。柔道部門では、私も参加し、子供たちと乱取を披露しました。今年の演武会は少し特殊で、外務省の対日理解促進交流プログラム「JENESYS」の協力を得て、盛大に行われました。JENESYSの学生たちは柔道、空手、剣道、合気道の経験者で、非常に熱心に活動されていました。

演武会の準備にあたり、柔道経験者の学生たちはラオスの柔道選手と合同練習を行い、意見交換をする場面もありました。その結果、ラオスの選手たちにとっても貴重な経験となり、両国の交流が深まったことを実感しています。


ラオス柔道選手たちとJENESYSの学生さんとの写真(前列左から2~3番目JENESYSの学生さん、右上は菊地です。最近ラオス人に見られがちですが実は日本人です。)

Japan festival・・

柔道とは異なりますが(笑)日本とラオスの外交関係樹立70周年を祝うイベント「ジャパンフェスティバル2025」が2日間掛けて開催されました。在ラオス日本国大使館が主催し、日本とラオスの「絆」を深め、「共創」を目指す活動の一環として実施されました。ジャパンフェスティバル2025では、文化、芸術、音楽など多彩なプログラムが提供され、来場者は日本とラオスの豊かな文化に触れることができました。ラオスと日本の交流を基にJICA海外協力隊も参加し、書道や折り紙といった体験コーナーを設け盛り上がりました。私自身も、日本の伝統的な踊り「よさこい」を披露しました。ラオス日本センター(LJI)で日本語を学ぶラオス人と共に、約3カ月間踊りの練習を重ねて、大舞台で披露できたことがとても良い経験で、思い出になりました。また、機会があれば参加したいなと思えるほどの感動を実感しました。


ラオス日本センター(LJI)の学生さんとJICA海外協力隊の皆さんとよさこいを披露しているときの写真(良い笑顔!やり切った感!)

終わりに・・

4月にはアジア選手権、夏にはジュニアユース、タイランドインター、ASEANなど、さまざまな国際大会が続きます。また、ラオス代表選手を決める選抜試合も始まり、監督やコーチ陣との連携がますます重要になります。選手たちが最高の状態で試合に臨めるように、体調管理だけでなく、精神的なサポートも欠かせません。私自身、コーチとは選手たちにとって最も信頼できる存在であり続けることが、彼らがベストを尽くすための大切な要素だと考えています。そして、選手たちが試合で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、全力でサポートしていきます。

それではまた!

ພົບກັນໃໝ່(ポップカンマイ、また会いましょう!)
ໂຊກດີ(ソークディ、幸運を)


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