JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。
東南アジアのインドシナ半島に位置するラオス人民民主共和国でJICA青年海外協力隊として活動をしている菊地友輝さんからの報告です。
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日本政府から武道場の整備に、無償資金協力や有償資金協力があって建設されたそうです。また、ビエンチャンのワッタイ国際空港、ラオス日本武道センターの隣接するチャオ・アヌウォン・スタジアム(競技場1950年建設)も。他にもたくさんの日本から支援があって、日本とラオスはとても友好的な関係であることに気づきます。現在、老朽化したチャオ・アヌウォン・スタジアムは改築計画としてついては、新しく再築されることに。(2026年12月完成予定)
サバイディー柔道物語!No.5
JUDOsのホームページをご覧の皆さん、ສະບາຍດີ!(こんにちは!)
JICA海外協力隊として東南アジアのラオスという国で柔道コーチをさせていただいています。菊地友輝(キクチトモキ)です。
サバイディー柔道物語も第5号になりました!日本は、お正月も明けて休暇も明けて、よっしゃ仕事だー!って感じですかね。実は、ラオスのお正月は4月です。「ピーマイラオ」ピー(年)マイ(新しい)という仏像への水掛け儀式があります。 といに水を流して仏像にかけたり、直接、仏像の頭や肩に水をかけたりします。 ラオスでは、新年に寺院に安置されている仏像を洗い清める習慣がありますが、これは、旧年中の悪い出来事を洗い流す意味があります。しかし、私はまだ経験していませんが、その期間中は、儀式の他に「水かけ祭り」というバケツいっぱいに入った水を道端の人にかけたり、水鉄砲や水風船をお構いなしに掛け合ったりするそうです。真の水かけ祭りはこちらかもしれませんね。少し楽しみです(笑)
さて、現地に赴任してもうすぐ8カ月が経とうとしています。ラオスは10月頃から乾季が始まり、朝晩は少し肌寒くなってきました。それでも、私が住んでいるビエンチャン市内は日本の春のような20度前後であります。日中は25~28度にもなりますので過ごしやすい時期です。ラオス観光地の旅行をするなら今がチャンスかもしれませんね。地方によっては10度前後になることもあるので下調べが必要です。
講道館セミナー
先日、柔道の生みの親である嘉納治五郎によって設立された、柔道の総本山の講道館から昇段審査のために4日間に続く講習会と昇段審査がありました。私も微力ながらサポートをさせていただきました。ラオスで昇段審査を実施することについても久し振りなので、ラオス運営側は資料作成から準備は少しバタバタしていました(笑)運営や会議に参加しましたが、日常会話程度のラオス語ではついていけませんでした。会議が終わった後に「ここ何て言っていたの?」と、質問攻めして少しでも理解しようとしていました。柔道用語が出てくれば話の流れで分かるんですけど。4日間に及ぶ講習と審査が特に大きい問題も無く無事に終わってホッとしました。これからもラオスでの昇段審査を毎年継続して実施できるように形の練習から選手・監督たちのサポートをしていきたいと思います。
講道館の先生、ラオス柔道連盟の関係者、タイ柔道関係者との集合写真
ラオス初地方出張!サワンナケート県
今回、初めてラオス南部地方にあるサワンナケート県に柔道指導の他に柔道衣が少ないとのことだったので段ボール2つ程持って行きました。私が滞在するビエンチャンから約350~400㎞の距離があるので飛行機を使用したのですが(次回からバスです・・)、ラオス国内の飛行機を使用することも初めてでしたので、ドキドキワクワクしながら出張へ。(笑)
サワンナケートの柔道場の外観、日本を意識して建てたらしい!(笑)
サワンナケート県を簡単に紹介すると、ラオスの南部に位置する県で、タイとの国境を接しています。この地域は自然環境、歴史的遺産、そして文化的な背景が豊かな場所でクメール遺跡や恐竜の化石が発見されている地域です。ローカル気分が味わえて私自身とても過ごしやすい場所でした。
サワンナケート県にはサワンナケートスポーツ柔道連盟があり、ラオスに数少ない柔道連盟と道場があります。いざ道場へ行くと何十年も経つ建物だけあって、外観・内観ともに破損が激しい。天井や壁の穴から錆、畳の摩耗、ズレと、それは考えさせられるものでした。しかし、練習時間前にも関わらず、たくさんのストリート育ちの子ども達が目をキラキラさせて参加し、楽しんで柔道をする様子に子ども達の人間性に感心しましたし、環境に左右されているのは自分だなって感じました。道衣がなくても服をビヨンビヨンに引っ張り伸ばしながら柔道を楽しんで行う姿勢、壁や天井が穴空いていたって、テープなどで補修する。ここに物が無いなら無いなりにどうするかを考える。貪欲さというかハングリーな感覚が私にとって痛感しましたね。これが協力隊だよなって。(笑)何が言いたいかというと、柔道指導を通して、何が必要なのか、それは物なのか人なのか、良い環境とその逆を知っている私に何ができるか、何かできないかな。と考えることができました。柔道衣の支援(道衣を贈ったものは殆どサイズが大きく子どもは使用できませんでした)や定期的な選手・監督たちに柔道指導、イベント活動など、ビエンチャンとサワンナケートお互いがウィンウィンになるような考え方を目標にしていきたいと思いました。
土日は練習休みでも駆けつけてくれた選手たち。日本人が来るとのことで普段来ない人も・・。ありがたい。
終わりに・・
ここに、サワンの食・文化・景色、道場が破損している部分を載せたいところではありますが、長々となって目も疲れてきたと思うので今回はここまでにします!また、こうして地方出張等に行けることはJICAを始め、代々繋いできた協力隊先輩隊員と柔道関係者のご支援があって今があると思います。私も次の世代に繋いでいけるような活動にしていきます。
それではまた!
ພົບກັນໃໝ່! (ポップカンマイ、また会いましょう!)
ໂຊກດີ(ソークでぃ、幸運を)
JUDOsでは海外で柔道指導をしている方々の活動記を紹介しています。興味のある方は事務局までご連絡ください。