JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。
東南アジアのインドシナ半島に位置するラオス人民民主共和国でJICA青年海外協力隊として活動をしている菊地友輝さんからの報告です。
※上記写真は菊地さん(左)とラオス柔道連盟会長(右)
JUDOsのホームページをご覧の皆さん、ສະບາຍດີ!(こんにちは!)
JICA海外協力隊として東南アジアのラオスという国で柔道のコーチをさせていただいています。菊地友輝(キクチトモキ)と申します。
2024年5月に現地に赴任し3カ月が経ちました。ラオスは5月頃から雨季が始まり10月まで度々スコールが降ります。たまに浸水し車も動かないこともありますが、驚くほどに雨が引くのも早い。私は最近「もうすぐ雨が降るかな」と天気を把握するコツを見つけ、洗濯物が濡れずに回避できています。コツを知りたい方は是非連絡いただければと思います。ラオスの首都ビエンチャン限定です。あしからず。
2024年パリオリンピックも迎え、私たちチームラオスも今年開催される全国大会に向けて、日々稽古を行なっています。世界中の柔道家がパリオリンピックに注目を寄せている中、ラオスナショナルチームの選手勢や少年柔道教室に通う子ども達にパリオリンピックに出場した日本人選手の名前を出して「すごかったね」「強いね!」「あの技の名前は?技を教えて?」と興味深々です。日本のスポーツ少年団の子たちよりも話題が出ていたかも・・。日本柔道はラオス人の柔道家にとっても魅力的なようで、今回のパリオリンピックの印象について常々語っていて日本人としてとても嬉しく思います。
さて、今回は「サバイディー柔道物語第2号」ということで書いていこうと思います。
パリオリンピックを祝うセレモニー
上記にもあったように、パリオリンピックが終了した後も話題が尽きません。それは、パリオリンピックが始まる数日前に行われたラオスとフランスが交流し「パリオリンピックを祝うセレモニー」が実施されたからです。こちらは、ラオス柔道連盟を始め、テコンドー、ムエラオ、バレーボール、ラグビー、綱引きとラオスで今人気のある各スポーツ連盟が集まりオリンピック関係者を含めたラオスとフランスの交流会になります。各競技スポーツの演武会を披露し大いに盛り上がりました。音楽や周りの歓声と所属する各選手達の熱い魂のようなものが伝わり会場は熱気に包まれました。また、こちらのセレモニーに参加していた子ども達がオリンピックを見た影響もあって「柔道やってみたい!」と言って練習を見に来てくれる子たちが増えました。嬉しいですね。
「パリオリンピックを祝うセレモニー」の開会式の様子
柔道の演武は、幼児の部の座礼・立礼・受身から始まり、ビギナークラスの回転受身と投技を披露、そしてわたくし菊地と今回受けをしてくれたナショナルチームのシロくんと護身術の形を披露させていただきました。護身術の形の披露をすることが決まったとき、相方のシロくんは形の名前を聞いたことだけしかなく「ゴシンジュツ・・?」と。私自身も研修等で学びましたが・・。その後は2人で柔道の稽古後や休みの日を活用して練習を重ねました。正直、お互いに覚えることに必死で完璧にとはいきませんでしたが、セレモニーで形の披露が終わった後の達成感は試合に勝ったようなとても気持ちの良いものでした。相方のシロくんはたくさんの観衆もあった大舞台で頑張ってくれました。この経験が必ず試合や競技に限らず今後に活かされると話しました。伝わっているかは微妙です(笑)
形披露の様子(右シロくん)
体験コーナー
各スポーツの紹介が終わった後は、紹介されたスポーツを体験してみよう!と一般の人も含めた自由参加で行います。嬉しいことに「前に出て教えて!」と体験が始まろうとする2~3分前に伝えられ、考えることよりも先に行動にでてしまう私はすかさずOK!ラオ語も英語もままならない状態ですが言ったからには最後までやろうと心に決めました。最初は大丈夫かなと不安でしたが、受身や技の紹介を行うにつれて目の前にいる子ども達のキラキラした目や笑顔に次第と楽しいと感じるようになりました。文法もぐちゃぐちゃな単語を並べた話し方ではありましたが(笑)同僚にサポートされつつやり切ることができました。サポートしていただいたラオス柔道連盟を始め同僚スタッフには感謝しています。
体験コーナーの様子
サポートしてくれた生徒たちとの集合写真
終わりに
今回のセレモニーにサポートして下さった関係者の皆様に大変感謝しています。また、今回のようなラオスと他国との交流が増えればなと思いますし、たくさんの人に柔道を知ってもらえるように地域の人たちを巻き込んで活動していきたいと思います(笑)
これから、ラオスの全国大会や演武会を予定しています。この大会では審判員として参加させていただけるとのことだったので楽しみです。自身も含め選手には、やるときはやる!休むときは休む!というメリハリ精神で日頃の稽古に取り組んで行きたいと思います。引き続き、ラオス柔道をよろしくお願いします。
次回は、ラオスの日常生活とか食文化などに触れられたらいいですよね。ラオスで有名なご飯は?みたいな。虫食べるの?!とか。
それではまた!
ພົບກັນໃໝ່! (ポップカンマイ、また会いましょう!)
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