ケニア 🇰🇪より【ハクナ・マタタ・ウタタン日記 No.2】

JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。

アフリカ東部のケニアで国際柔道連盟の柔道指導者として2024年5月より活動をしている歌代勇祐さんからの報告です。


ハクナ・マタタ・ウタタン日記🇰🇪 No.2

ケニア柔道 歌代勇祐

どうもこんにちは。ケニアで柔道指導をさせていただいております、歌代勇祐(うたしろゆうすけ)です。僕の住むナイロビは標高1,800mあたりにあります。高いところから失礼します。

パリオリンピック

つい先日まで世間を賑わせていた話題の一つ、パリオリンピック。ご報告が遅くなりましたが、ケニアからは女子柔道選手のZeddy Cherotich(ゼディチェロティッチ)が-78㎏級に出場していました。

結果はというと、惜しくも初戦で敗れました。しかし今回の彼女の出場は、ケニア柔道にとって喜ばしいものとなりました。

彼女は今回、獲得した世界ランキングポイントによって、大陸枠での出場権を得ました。これはケニア柔道にとって快挙です。というのも、ケニア柔道から女子選手がオリンピックに出場したことは今までなかったんです!つまり、ケニア柔道初の女性オリンピアン誕生です!!わぉ。初の女性オリンピアンが大陸枠獲得によって出場。間違いなくケニア柔道は発展しています。

活動のために資金が潤沢にあるとはいえない、ケニア柔道連盟です。選手を何度も国際大会へ出場させることは簡単なことではありません。そんな中で何とか絞り出して選手を国際大会に派遣してきました。その結果が、今回の女性オリンピアン誕生です。彼女の積み上げてきた努力の結果であり、同時にケニア柔道連盟が柔道の発展に尽力してきた結果です。ケニア柔道連盟では組織が一丸となって、同じ方向を見て進んでいることを確認できました。

さて、私はというと、パリへ帯同はしませんでした。お留守番です。ですが、ケニア国内でのトレーニングキャンプでは指導をさせていただきました。

彼女のオリンピック出場が決まってからの数週間、ナイロビにあるナショナルスタジアムの中で、宿泊、食事、トレーニングが提供されました。いわばケニア国内のオリンピック選手村です。

このようなスポーツ施設がケニアにはあり、オリンピックが決まってすぐにオリンピックキャンプが開始されました。それだけケニアではスポーツが重要視されており、スポーツの価値が評価されているということです。素晴らしい環境です。ケニアの柔道には十分な「伸びしろ」があります。と、「うたしろ」は感じました。

余談ですが、彼女の「チェロティッチ」って名前、かわいくないですか。-78㎏級の彼女は裏投げを得意とする選手で、とてもパワフルな柔道をします。もう一つ言えば、声がとってもかわいいです。ギャップです。

国内大会

8月3日、ケニアの海岸沿いにある街クワレで、ナショナルリーグ(国内大会)が開催されました。子どもは8歳から年齢と性別で分けられてトーナメント。シニア、ジュニア、カデはそれぞれで階級別のトーナメントが行われました。

大会は大盛り上がり。どうやらクラブチーム対抗大会のような性質があるようで、同じクラブチーム所属の選手が試合をする際は、全力で応援。チーム一丸とはまさにこのこと。素晴らしいです。柔道だけでなく大会をイベントとして楽しんでいるような、いい雰囲気でした。小中学校の運動会を思いだします。

会場が揺れていました。声援がすごすぎたせいか、築年数の問題か。

今大会は、ナショナルチームのメンバー選考を兼ねていました。2026年のユースオリンピック、2028年のオリンピックに向けて、強化していくための最初の選考です。結果が出て、いよいよ本格的にナショナルチームとしての活動が動き出しそうです。ワクワクしています。わくわくさんです。

今回、ナイロビから500㎞ほど離れた地域に来ました。せっかくの機会なので、大会後に一週間のトレーニングキャンプを実施しました。

対象は主に、今大会で上位入賞をしたカデとジュニアの選手たちです。練習会場は学校の教室を借り、畳ではなくマットでの練習になりました。環境はいいとは言えませんでしたが。貪欲に学ぼうとする子どもたちのおかげで、楽しく指導をさせていただきました。

ちょっと納得していない顔の子もいますが…。ちゃんと伝わったはず。

こちら4日目の写真。

なんかみんな日に日に顔が険しくなって。ポージングもそれっぽくなってったけど…。もしかしてカメラ意識してる?

またも余談ですが、大会が開催されたクワレには、ディアニビーチという有名な砂浜があります。せっかくなので紹介させてください。


素敵なビーチ。ここはオーストラリアでもハワイでもなく、ケニアです!


トゥクトゥクがたくさん走っていましたが、東南アジアではなくケニアです!


遊んでいただけじゃなく!柔道指導もしていますよ!!

ビーチで柔道。あるあるですね。

ね?素敵な場所でしょ?ケニアにはサファリだけでなく、海だってあります。

ケニアに行きたくなってきたんじゃないですか?

ちなみにですが、ナイロビからクワレに向かう途中、複数のゼブラを見ました。

横断歩道ではなく、本物のゼブラです。

しっかりケニアですね~。こんな道を車で8時間ほど走りました。

今回のクワレ遠征では、普段生活しているナイロビとはまた違ったケニアの魅力を目の当たりにしました。ケニア全体の柔道を知ることができ、またケニアという国についても知ることができました。またひとつ、ケニアを好きになりました。

最終日にすこぶる体調を崩してマラリアかもしれないと大騒ぎをしたのですらも、いい思い出になりそうな気がしなくもないです。

柔道とは関係ないですが…

ケニアの魅力を紹介したついでに、今回はケニアの食を紹介させてください!

おそらくこの国で一番有名な料理は、「ニャマチョマ」です。これまた特徴的な名前をしています。ニャマチョマとは、ヤギ肉を使った焼き肉のことを言います。

 
 

こんな感じで炭で焼かれていて、注文したら一口サイズに切り分けて持ってきてくれます。

味付けは基本塩。おいしいです。

だいたいケニア人と食事に行くと、出てくるのはニャマチョマです。

ヤギはよく見かけます。

歩くニャマチョマに見えてきます。

ですがですが!みなさまに紹介したいのは別にあります!
こちらですっ!!

なかなかインパクトありますよね。

ティラピアです。ウエットかドライか選べます。

 

こんがり焼けていておいしそうですね。

これ、めっっちゃくちゃおいしくて。週14回は食べられます。

まだケニアにきてすぐなのに、これを食べられなくなる日が来ることを想像してしまって悲しくて。最近はティラピアを前にすると少し落ち込みます。それぐらいはまっています。

ちなみにこれを食べるときは、フォークも箸も出てきません。

手でいきます。手で食べたほうがおいしいです。(気のせい)

さて、今回もながながと失礼しました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

そろそろティラピアを食べる時間なので失礼します。


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