ブータン🇧🇹より【カディンチェ柔道日記!No.22】

JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。

南アジアのブータン王国🇧🇹でJICA青年海外協力隊として活動をしている福井勇貴さんからの活動報告です!


※Kadrin Chhe la(現地語 ゾンカ)ありがとう
ブータン柔道はこれまで多くの方々のご協力、支援があってここまで来ました。
そんな感謝の気持ちからタイトルコールはカディンチェとさせていただきました。

皆様、お世話になっております。JICA海外協力隊としてブータンナショナルコーチをしています。福井 勇貴(ふくい ゆうき)です。

今回のテーマは前回の最後にお伝えしたように、最近のブータン柔道協会の活動についてです。先日近隣の学校において、柔道のデモンストレーションが行われました。今回は、そのデモンストレーションの様子についてお話しさせていただきたいと思います。

柔道デモンストレーションの練習開始

2月末にブータン柔道協会で今後に関するミーティングが行われました。

そのミーティングでは、今後の方針やどんなことをしていくのかなどについて話し合いました。その1つとして、以前の私の活動報告でもお伝えしたように、今後草の根レベルの活動に力を入れていくことを改めて話し合いました。

その1つが、近隣の学校へ足を運ぶ柔道デモンストレーションなどといった柔道普及活動です。

その1回目として、これまでメインの柔道場から少し離れた街中にある学校で行われていた柔道クラブの復旧でした。

実際、私も2年前まで約1年半この柔道クラブの指導に行っていました。

しかし、コーチの変更、以前までいた学校校長の異動などといった理由により、その柔道クラブでの稽古の継続が不可能になってしまいました。というのも、私たちが利用していた場所は、警察署がある管内にある公立の学校の広場を借りておこなっていたからです。

学校の施設を使用する上で、その学校の校長先生、先生方の理解というのは、必須になります。その中で、前まで在籍されていた校長先生の異動によって学校の方針に変化があり、柔道の継続が難しくなってしまいました。

しかし、約1年の交渉、新たな校長先生の赴任によって柔道にまた興味を示してくださり、今回のデモンストレーションが実現しました。

その大きな理由としては、これまで長くその学校で働いている先生が柔道をしている子供達は、ものすごく生活態度が良く、挨拶がきちんとできているということを新しく赴任してきた校長先生に話してくださったからでした。

2月末にこの学校での柔道デモンストレーションの実施が3月7日に決定してから、私たちはすぐにデモンストレーションの練習を始めました。

このイベントには、私はほぼ関わっていなく、在籍する現地のコーチたちが1から内容を作成し、練習の指導も行いました。というのも、私の離任する日が近いという理由からでした。現地のコーチたちが自分たちで考えて自分たちの力だけで1つにイベントを成し遂げることが非常に重要だとも考えました。

もちろんデモンストレーションの練習は毎日見ていましたが、基本的には何も言わず、陰から見守っていたというような状況でした。

デモンストレーションが決定してから、毎日2時間〜3時間のデモンストレーションの練習を約2週間行いました。

参加した選手たちは、見てくれる観客に柔道というものに興味を持ってもらえるように、練習に励んでいました。

柔道デモンストレーション当日

先述の通り、3月7日に私たちブータン柔道協会は警察署内にある学校にて柔道デモンストレーションを行いました。当日は、学校にて、生徒の保護者が全員集まる保護者会がありました。

その保護者会に合わせて、私たちのデモンストレーションの時間を組んでくださいました。

12時過ぎに柔道場に集まり、使用するマットを運んで13:30ごろから現地で準備を行い、14:00からデモンストレーション本番が行われました。

この本番では、初心者からジュニアの選手がはじめに回転運動や基本的な柔道の動きを行い、その後、シニアの選手がアクロバットな動きを披露し、ジュニアの選手が基本の投げ技を行い、シニア選手が動きに合わせた技を披露し、最後にシニア選手によるセルフディフェンスを披露しました。

参加した選手たちは、多くの観客が見ていて、ものすごい緊張の中、素晴らしいデモンストレーションを披露してくれました。

その後、すべてのプログラムが終わり、見ていた大勢の観客から大きな歓声と盛大な拍手をもらうことができました。

校長をはじめ、多くの関係者の方々が今回のデモンストレーションに深い関心を寄せてくださいました。皆さんは柔道クラブに強い興味を抱いており、近々その活動が再開される予定です。しかし、そのタイミングには私はブータンを離れているため、現場でその様子を見ることができないのは非常に残念です。それでも、きっと多くの新しい柔道家が入会し、素晴らしいクラブへと成長していくことでしょう。私はその未来にとてもワクワクしています

Other Shot of BJA

今回も最近のブータン柔道協会のオフショットを少しばかりですが、ご紹介したいと思います。



さいごに

今回は、上記に記載のように3月7日に首都メイン柔道場から少し離れた学校のZilnone Namgyeling schoolにて柔道普及活動として柔道デモンストレーションを実施しました。

この学校では、1年半前まで柔道クラブが存在していました。しかし、学校校長の異動、校長の変更によって学校方針が変わり、柔道クラブの継続が少し難航していました。

それから、幾度となる交渉を行い、今回新たな校長から柔道クラブの再会が認められ、それに伴った柔道デモンストレーションが実現することができました。

このデモンストレーションを行う上で私たち柔道協会も多くのミーティングが行われました。そして、2月下旬に3月7日にデモンストレーションを行うという詳細が決まってから私たちはデモンストレーションに向けた練習を始めました。

今回のデモンストレーションでは、私ではなく現地のコーチたちが学校との交渉から内容作成、デモンストレーションの練習指導を行ってくれました。

その理由として、私のブータンでの最後の活動が7日の午後の稽古で7日以降ブータン柔道協会を離れるためでした。

私は、当日カメラマンとして参加しました。学校に到着してすぐ驚いたのは、約1000人ものオーディエンスが私たちのデモンストレーションを見に来ていたことです。

今回のデモンストレーションでは、コーチ陣の頑張り、選手たちの練習の頑張りによって見事本番では、オーディエンスの皆さんから大きな歓声と拍手をもらうことができました。そして、デモンストレーションを終え10日からその学校での柔道の稽古が再開されました。

今後さらに多くの新規柔道参加者が増えていき、ブータンでの更なる柔道の普及に期待したいと思います。

また、これまでも私の活動報告にてお伝えしてきましたが、私は3月19日にブータンを離任して、20日に日本に帰国します。

3月7日に私のブータンでの最後の柔道の稽古を行いました。その稽古では、コーチたちや選手たちが私のフェアウェルをしてくれました。

そのことについては、次回にお話しさせていただきます。

次回の私の活動報告が最後になると思います。

これまで20回以上の私の活動報告を読んでくださった皆様にはものすごく感謝しております。最後までどうぞよろしくお願いいたします。

次回について

3月7日の最後の稽古についてお話しさせていただきたいと思います。

少しでもこの記事を見てブータン柔道について興味を持っていただいたり、応援してくださったりすると嬉しいです。

さいごまでご覧いただきいただきありがとうございます。

Kadrin Chhe la(現地語ゾンカ)ありがとうございました。
Lok jae ge la(現地語ゾンカ)また会いましょう☺️

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