ブータン🇧🇹より【カディンチェ柔道日記!No.21】

JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。

南アジアのブータン王国🇧🇹でJICA青年海外協力隊として活動をしている福井勇貴さんからの活動報告です!


※Kadrin Chhe la(現地語 ゾンカ)ありがとう
ブータン柔道はこれまで多くの方々のご協力、支援があってここまで来ました。
そんな感謝の気持ちからタイトルコールはカディンチェとさせていただきました

皆様、お世話になっております。

JICA海外協力隊としてブータンナショナルコーチをしています。福井 勇貴(ふくい ゆうき)です。

先日の1月30日は、ブータンの祝日でした。Chunipa Losar(チュニパ・ロサール)という祝日で、東部ブータンを中心に新年として祝われています。この祝日は、ブータンの太陰太陽暦に基づいており、西暦では1月下旬から2月中旬の間に訪れます。他にも、1月2日には西ブータンの一部地域で新年をお祝いするNyilo(ニロ)があったり、2月28日にはブータン全土で新年としてお祝いされるLosar(ロサール)もあります。これら祝日では、家族、親族や親しい友人たちと食事を共にとり、新年を祝います。

その国それぞれに宗教や文化に沿った祝日があることはとても面白いですよね。

特に、ブータンはチベット系仏教にまつわる祝日がたくさんあるのが私にとってとても興味深いといつも思っています。

さて今回のテーマは前回の最後にお伝えしたように、1月17日に開催されましたBhutan Winter National Judo Tournament,と2月1日に開催されましたWinter National Color Belt Testについてお話しさせていただきたいと思います。

Bhutan National Winter Judo Tournament 2024

上記にも記載したように、1月17日にBhutan National Judo Tournament 2024を開催しました。この大会は、12月初旬から実施してきましたWinter Judo Campの締めくくりとなる大会です。

以前にも私の活動報告でも紹介させていただきましたが、ブータンにはいくつかの柔道クラブが存在します。

その中の1つのブータンの南の地方のゲレフという地方の柔道クラブの国内大会と私たちの国内大会の日程がちょうど被ってしまったということもあり、今回の出場者数は例年に比べて少なかったですが、出場した選手たち全員がベストを尽くしたとても素晴らしい大会になったのではないかなと私は思います。

今回出場した選手の全員は、この2ヶ月行われたWinter Judo Campの練習にも欠席することなく毎日稽古に参加して、それぞれの課題に向き合って稽古をしていました。

一番近くで見ていた私もこの大会での彼らのパフォーマンスを見て、Winter campが始まった12月初旬に比べても、すごく成長したなと感じました。それは、技などの技術面はもちろん、柔道家、1人の人間としての精神力もものすごく逞しくなったと思います。

以前の活動報告で少しお話しさせていただいたかと思いますが、私たちブータン柔道協会の運営方針が昨年の9月から少し変わりました。

それは、この2−3年エリートプログラムに全勢力を注いできたものを、今後はもっと草の根レベルの選手たちの育成や普及活動に力を入れていくというものです。

まさにこの大会に出場した選手たちというのは、人数こそ少し少ないですが、今後草の根レベルに力を入れていく私たちブータン柔道協会にとってものすごく貴重な存在になると私は思います。そして、私の願いは、この選手の中から将来オリンピックに出場する選手が出るということです。今後彼らの更なる成長が楽しみですね。



Winter Color Belt Test 2024

上記に記載したように、2月1日にWinter color Belt Testを開催しました。このカラーベルトも国内大会同様にWinter Judo campの締めくくりのイベントになります。

このカラーベルトテストも参加者数が例年に比べて少し少なかったですが、それぞれの課題に選手たちが一生懸命取り組んでいた様子を見ることができて私はとても嬉しく思います。

そして、今回参加した全員が一回目の試験で合格しました。

これは、2週間という練習の時間で稽古に励んだ選手たちはもちろん、その稽古を指導したコーチ陣、サポートメンバーの全員の頑張りだと私は思います。

みんなよく頑張ったと思います!!

今後もさらに自分たちの課題に向かって頑張っていってほしいです。

ここで少しこのイベントとは内容は異なりますが、私たちの柔道の練習に来ている子供達は全員別々の学校に通っています。

1つの学校の生徒だけが柔道に通っているわけではありません。その中で、私が実際に指導をしている際に心がけていることは、「柔道というコミュニティ」です。

中には、実家が貧しい子、両親がいない子、片親の子、学校であまり馴染めない子も多くいます。そんな子たちにとって「柔道という新しいコミュニティー」になればいいなと思います。

家でいい心地がしない子、学校であまり馴染めない子、そんな子たちが柔道に来たら柔道の仲間たちと一緒になって切磋琢磨し合える環境を私は作っていきたいと思い、この約3年間活動をしてきました。

そんな中で、さまざまな状況下の中で柔道に来ている、異なる学校から来ている中で、全員が練習前に少し早く来てみんなで遊んだり、休憩時間にみんなで話をしたり、稽古の中でわからないことがある人を手伝ってあげるという様子を見て、少しはその「柔道のコミュニティー」というのが出来つつあるのではないかと思います。

嘉納治五郎先生が伝えてきた「柔道としての教育」に今後もブータン柔道は力を入れていきたいと思います。



Other Shot of BJA

今回も最近のブータン柔道協会のオフショットを少しばかりですが、ご紹介したいと思います。


大会の様子を見学している選手たち

カラーベルトテストを見守る選手の様子

大会前に全員で鏡の前で集まっていた時の様子

野外トレーニングの様子

さいごに

今回は、1月17日に開催しましたBhutan National Winter Judo Tournament 2024, 2月1日に開催しましたWinter color belt Testについてお話しさせていただきました。

まず国内大会についてですが、地方チームの大会日程と被ったということもあり、参加人数は例年に比べて少なかったですが、出場者全員が大健闘した様子を見ることができました。

そして、12月から始まりましたWinter Judo Campでの練習の成果を十二分に発揮していたと思います。この2ヶ月での彼らの成長には私もとても驚いたとともに、ものすごく嬉しく思います。

そして、Winter Color Belt Testについてですが、このイベントも国内大会同様に参加者が例年に比べて少し少なかったですが、選手それぞれが自身の課題に向き合って一生懸命に取り組んでいた様子を見ることができました。

また、その彼らの頑張りにより、参加した全員が試験を合格することができました。

みんなよく頑張ったと思います。

今回、国内大会、カラーベルトテストに出た選手たちが近い将来ブータン柔道を引っ張っていく存在になると思います。

そんな彼らには、今後も柔道を楽しみながら、柔道の仲間たち、コミュニティーを大事に稽古に励んでいってほしいと思います。

また、私ごとにはなりますが、以前から少しお話しさせていただいていますが、3月19日をもってブータン国を離任します。

離任にあたって3月7日に私の柔道の活動が終了します。

もう残すところ本当にあと少しになります。

そして、2月8日からは全日本柔道連盟のSports For Tomorrowで3名の短期ボランティアの学生さんたちがブータンに来てくれます。

約10日という短い期間ではありますが、学生の皆さんと共に素敵な時間を過ごせたらと思いますし、ボランティアで来てくれる学生さんの皆さんにとって有意義な時間を私たちは提供できたらと思います。

私の残りの1ヶ月という短い期間ですが、さいごまで彼らの身に沿って一生懸命活動に励むと共に、ブータンという国をたくさん楽しみたいと思います。

引き続きどうぞ応援をお願いします。

次回について

次回は、2月10日から実施されますSports for Tomorrowで日本から短期ボランティアでブータンに来る学生さんたちとのプログラムについてお話しさせていただきたいと思います。

少しでもこの記事を見てブータン柔道について興味を持っていただいたり、応援してくださったりすると嬉しいです。

さいごまでご覧いただきいただきありがとうございます。

Kadrin Chhe la(現地語ゾンカ)ありがとうございました。
Lok jae ge la(現地語ゾンカ)また会いましょう☺️

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