JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。
東南アジアのインドシナ半島に位置するラオス人民民主共和国でJICA青年海外協力隊として活動をしている菊地友輝さんからの報告です。
サバイディー柔道物語!No.7
※写真:JOCV60周年記念ビデオ撮影終了後の集合写真の様子
JUDOsのホームページをご覧の皆さん、ສະບາຍດີ!(こんにちは!)
JICA海外協力隊として東南アジアのラオスという国で柔道コーチをさせていただいています。菊地友輝(キクチトモキ)です。
2025年、日本とラオスの外交関係が70周年を迎えました。
この大事な年に、両国の歴史や文化を振り返り、協力関係がさらに進むことを楽しみにしています。JICA海外協力隊のメンバーとしてラオスにいる隊員たちと一緒に作成しているビデオは、まさにこの記念すべき年にぴったりな取り組みだと思います(JICA関係者含めビデオ制作に関わってくださった皆さんのおかげです!〈笑〉)。
選手たちも緊張しながら参加してくれて、完成が楽しみだねー!と話していました。
こちら↓が先日完成した動画になります。柔道に関しては大トリです。12分07秒から始まります!
https://youtu.be/TenOtxzJJH8?si=_OBFcTocq6eUT5mi
さて、サバイディー柔道物語も第7号です!
ラオスに赴任してから、10カ月が経ちました。月日が過ぎるのは本当に早いものですね。今は、1週間が長いなと思うこともありますが、”花金”になると「もう1週間経ったのか」と感じることもあります(金曜日のことを“花金”って言いますよね?)
そして、1カ月、半年、1年が過ぎるのもあっという間だと実感しています。
私にとって、協力隊として海外に赴任し、さらにラオスで柔道のコーチができることは、夢であり目標でした。それが現実となり、とてもうれしく思っていますが、月日が経つごとに少し寂しさを感じることもあります。関わっている同僚や選手が良い方向に進んでいるのか、このままで良いのかと不安や心配になることもあります。それでも、ラオスに来る前に決めたことがあります。それは、「何事も楽しんでやろう」ということです。
ふざけるわけではなく、楽しんで取り組むことで自分自身もポジティブになれますし、その前向きな姿勢が周囲にも良い影響を与えるのではないかと思っています。
選抜大会についての概要とルール説明の様子(菊地〈左手前〉、ちょっと偉そうなんだよなあ)
選抜試合・・
先日、12月に実施される東南アジアスポーツ大会(SEAGAMES)の代表選手を決める選抜試合が行われました。
ジュニアとシニアクラスに分かれ、ビエンチャン柔道スクールをはじめとするサワンナケート柔道連盟の選手たち約30名が、首都ビエンチャンのラオス日本武道センターで熱戦を繰り広げました。
選手たちはSEAGAMESの各カテゴリーで戦うために、非常に気合を入れて臨んでいて、普段見かけない選手も参加していたことに少し驚きました(笑)。
私は試合役員、そして審判員としても参加しました。
公正な審判と監督・コーチ陣の判断を基に、各クラス別階級の選手たちを選ぶことができました。選抜選手が決まった後、リーグ戦を終えた選手たちは疲れを感じていましたが、その表情には確実に気合と覚悟が見て取れました。ホッとしている安心感の方が大きかったかな?でも、この経験を通じて、選抜選手たちは今後の大会や合宿に向けて、本格的に準備を進めることができると思います。
これからは選抜選手として、更なる成長を目指して日々努力を積み重ねていくことが大切です。私自身もコーチとして、彼らの成長をしっかりとサポートし、全力で支えていきたいと思います。どんな困難な状況でも、選手たちが自信を持って戦えるよう、常に寄り添い、助言をし続けます。そして、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、全力でバックアップしていこうと思います。
競技中の様子。審判はラオス柔連の監督、コーチ、そして私の3人で担当しました
試合後、整列の様子。この時間はいつも身が引き締まりますね
ラオスの結婚式・・
柔道とは関係ありませんが、、初めてラオスの結婚式に招待され、参加してきました!
日本の結婚式とは少し違い、ラオスの結婚式は伝統的な儀式と現代的な要素が融合した独特な文化を持っています。そこで、ラオスの結婚式に関する一般的な情報をいくつか紹介させていただきます。
こちらは結婚式の招待状(名前も書いてあります!ໂຕະ・ໂມະ・ຄິ(と・も・き))
○伝統的な結婚式の儀式!
ラオスの伝統的な結婚式には、特に仏教の儀式が深く関わっています。結婚式は通常、家族や親しい友人が集まる小規模なものが多いとのこと。
1.「カオトン」儀式:
結婚式の初めに、新郎新婦は仏教寺院を訪れて、僧侶に祈祷をお願いする。この儀式は、2人の結婚が仏教の教えに則って祝福されることを意味して、新郎新婦は仏前でお供え物を捧げ、僧侶から祝福を受けます。
2.「ボン」儀式:
ラオスでは、結婚式の際に「ボン」と呼ばれる儀式が行われ、この儀式では、花嫁と花婿が家族や親戚から「モーク」(糸)を手にかけてもらい、結婚を祝います。このモークは幸運と長寿、繁栄を象徴し、結婚した2人に幸福をもたらすと信じられています(ロマンチックですね~)。
3.「ファン・ミエン」儀式:
伝統的には、新郎側と新婦側の両家が一緒に食事を共にし、結婚を祝うための宴が開かれます。ここで親戚や友人が集まり、祝福の言葉や贈り物を交換します(皆でビールを浴びるように飲んで、歌って、踊ります〈笑〉)。
食事の様子。ライトアップされたり、装飾がついていて豪華!
同僚の話によるとか、現代のラオスの結婚式では、伝統的な儀式に加えて、西洋式の要素が取り入れられることが一般的で、新郎新婦はウェディングドレスやスーツを着ることが多くなってきようです。
結婚式の会場は設営された屋外の会場が選ばれるようです。私も参加している会場は豪華に装飾され、夜の結婚式ではライトアップも行われ、華やかな雰囲気が漂っていました。
披露宴では、ラオスの伝統的な料理や西洋料理が並び、音楽やダンスでお祝いムードが盛り上がり、新郎新婦やゲストが各テーブルに来て、共に食事をしながら祝福の言葉を交わし、写真を撮ったり、踊ったりと楽しい時間を過ごしました。日本も同様ですが、結婚式は、家族や友人たちとの絆を深める重要なイベントであり、特別な思い出として心に残りました。
海外という異国の地にいなければ経験できないような様々なイベントに参加でき、JICA海外協力隊に参加して本当に良かったと感じています。同時に、海外にいることで、海外に対する興味がさらに深まっています(笑)。

終わりに・・
最後に、今後はさまざまな大会が控えていますが、特に12月に開催される2年に一度の東南アジアスポーツ大会(SEAGAMES)は非常に重要な大会です。
アジアの選手たちは、この大会でメダルを獲得することを目標に、日々練習を重ねていると言っても過言ではありません。ラオス柔道も同じように、各大会で上位を狙い、この目標に向けて選手たちのパフォーマンスを最大限に引き出すための合宿が間もなく始まります。
私たちは、選手一人ひとりの成長をサポートし、技術や体力の向上だけでなく、精神面でも強くなるように支えていきます。また、柔道の競技においては、戦術や試合の進行についての理解を深め、選手に戦略的なアプローチを提供したいと考えています。選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、これからも全力でサポートしていきます。
それではまた!
ພົບກັນໃໝ່(ポップカンマイ、また会いましょう!)
ໂຊກດີ(ソークでぃ、幸運を)
JUDOsでは海外で柔道指導をしている方々の活動記を紹介しています。興味のある方は事務局までご連絡ください。