【ムウェンダ(左) ムルグ(右)】
世界選手権に出場したタンザニア選手を支援しました!
トーマス・ムウェンダ選手、アンドリュー・トーマス・ムルグ選手から報告が届きました!
タンザニア柔道連盟、滞在をサポートして下さった溝内克之さん、平川将康さんが報告書を作成して下さっています。
【報告書】タンザニア選手による世界選手権出場・日本合宿
貴会JUDOsのご支援によって実現できたタンザニア柔道家の世界選手権参加及び大会終了後の日本での強化合宿に関して、以下の通り、報告いたします。
【支援対象選手】
※両名とも試合後、9月15日まで東京滞在し強化合宿を行いました。
- Mr. Thomas Mwenda (26歳)滞在期間:2019年8月21日~9月15日
- Mr. Andrew Thomas Mlugu -(24歳)滞在期間2019年8月24日~9月15日
【世界選手権試合結果】
両名の対戦相手は、実力及び国際大会の経験で勝る選手であり初戦敗退という結果でした。しかし、試合前に立てた作戦を遂行し、勝利の可能性を確認できた試合でした。また、体力面での強化、組手など試合を意識した稽古の内容の必要性など課題の確認につながる試合でもありました。
【合宿の成果】
稽古先:講道館、東海大学、帝京平成大学、早稲田実業高校
合宿では、講道館大道場での稽古を中心としながら、各地の道場も訪問しました。技術的には、基本の動作(体さばき、組手の攻防等)、各選手の得意技の質の向上を目指しつつ、将来の指導者として形の稽古や指導法の学習に取り組みました。東海大学での稽古では、世界トップレベルの稽古、環境を体験することにより自分たちのレベルを再認識し、稽古のみならず練習に取り組む姿勢を学ぶことが出来ました。また、タンザニアでは十分に学ぶことが出来ない「形」を講道館で学ぶことができ、技の理合いの理解を深める事が出来たことも大きな成果でした。また、合宿の稽古最終日には、講道館の月次試合に参加し合宿の成果を試す機会も得ました。
両名は、日本の柔道家が真剣に稽古に励む態度、生涯スポーツとして柔道修行に励む年長者の姿、そして敬意を示し合う日本人の態度に大きな感銘を受け、技術面のみならず、態度面での変化が見られました。今回の合宿の目的は、一義的には競技力の向上でしたが、彼らの人間的な成長も促すものとなり、今後のタンザニア柔道界の発展を支える人材の育成へとつながりました。
【今後の計画】
以下の活動を通じて、柔道競技力の向上及び柔道普及を通じた人材育成に努めていく。
- 稽古内容の改善に取り組む(敏捷性や柔軟性を高める運動、組手を意識した稽古、実践を意識した打ち込みやパターン練習などの導入)
- グランドスラム大阪、アフリカ選手権など国際大会での入賞を目指した稽古の実施。
- 日本での経験を伝えるための青少年を対象としたセミナーの開催
報告書(Andrew Thomas Mlugu)
私は73㎏以下級のタンザニア柔道選手のアンドリュー・トーマス・ムルグです。日本で柔道をすることが子供時代からの夢であり、その頃から柔道を教えてくれている先生にその夢を伝えてきました。そして将来、柔道の先生になるためにも柔道発祥の地で稽古をしたいと思ってきました。そしてついに今年、幸運にも日本の東京で開催された世界選手権へ参加することができました(国際柔道連盟の支援による試合参加)。また(試合後に)講道館に滞在して稽古を続けるために多大な支援をくださったJUDOsに感謝をお伝えしなければなりません。私の夢は現実になりました。ありがとうございました。
講道館では諸先生方のご指導の下、打ち込み、形、乱取等の稽古に励むことができ、柔道の基礎を学びなおすことができました。また日本の方々がお互いに敬意を示していることから多くのことを学びました。加えて滞在期間中には多くの方々の助けを受けながら、社寺仏閣、東京タワーなどを訪問することができ、また刺身やすし等、日本食を食すこともできました。それを通じて異文化を理解する多くの学びを得ました。
このすべての経験は、貴会JUDOsのご支援によるものです。重ねてお礼を申し上げます。また今回の滞在は、(タンザニアで柔道をしてくれていた)溝内先生や平川先生、全日本柔道連盟の方々など、多くの方々にからの支援によって現実のものになりました。重ねて感謝申し上げます。
私の目標は、来年の東京オリンピックに参加し、全力を尽くし、良い結果を出すことです。しかし、今回の合宿は私の目を開かせてくれました。私自身の競技力向上だけではなく、タンザニア柔道全体のレベルアップに貢献していきたいと感じるようになりました。柔道の技術だけではなく、柔道家として、指導者としての態度や指導法も学ぶことができたからです。日本での学びを活かし、タンザニアでも稽古に精進していきます。JUDOsの皆様、すべての支援者の皆様ありがとうございました。
Mimi, Andrew Thomas Mlugu mchezaji wa Judo katika Tanzania, ninacheza chini ya uzito wa 73kg. Mwanzo nilikuwan na ndoto ya kuja Japan na niliwahi kumwambia Mwalimu wangu aliyenifundisha Judo tangia nilopokuwa mtoto. Kuwa mwalimu wa Judo baadaye nilitamani pia kufika Japan ambapo Judo ilianzishwa. Mwaka huu nilipata bahati ya kushiriki mashidano ya dunia yalopfanyika hapa Tokyo, Japan. Shukurani zangu kubwa ninazipeleka pia kwa JUDOs kwa msaada mkubwa nilioupata. Kwa kweza kunisaidia kukaa hapa Japan kwa siku hizi zote kufanya mazoezi Kodokan. Asante sana JUDOs sasa ndoto yangu imekuwa kweli. Mazoezi ya Kodokan walimu walinifundisha vizuri sana, Uchikomi, Kata, Randori pia kuimarisha msingi zaidi. Pia nimejifunza sana juu ya watu wa Japani hesima watu wa huku wana heshima sana. Pia nimefanikiwa kwenda kujifunza kusali kijapani, nilifurahi sana na nilikula vyakula vya asili kama Sashimi, Susi na kadhalika. Kwa mambo yote yakanisaidia mimi nisome utamaduni wa watu mbalimbali.
Haya masomo yote niliyopata katika Japan kwa sababu ya msaada wa JUDOs. Pia ninatoa shukurani zangu kwa wote walionisaidia kufanyikisha mimi niweze kukaa na kufanya mazoezi hapa Japan. Siwezi kusahau Sensei Mizouchi na Sensei Masa kwa msaada weo na pia All Japan Judo Association n.k.
Malengo yangu makubwa ni kuja kufanya vizuri mashindano yajayo Olimpica games. Lakini sasa mazoezi katika Japan yakanifungulia macho kuhusu lengo jipya. Hilo lengo ni kwamba nitajitoa na kujituma kuinua kiwango cha Judo katika Tanzania. Kutoka mazoezi katika Japan nilisoma si kiufundi tu nilijua pia tabia ya kama Judoka na Mwalimu wa Judo na ufundishaji aina mbali mbali. Hilo likanisaidia niwe na wazo kama huo. Nitakwenda nyumbani Tanzania kuongeza mazoezi mengi na kuyafanya kazi yote niliosoma katika Japan. Asante sana.
報告書(Thomas Mmwenda)
私はアフリカ大陸のタンザニアで柔道を学ぶトーマス・ムウェンダ(ニュンド)です。66kg以下級で試合に出ています。これまで、人生において柔道が生まれた日本を訪問できるとは思ってもいませんでした。JUDOsは、私にとって柔道における両親のような存在であり、渡航費や滞在費など多大な支援に対して心の底より感謝をしています。
稽古だけではなく、日本では多様な経験をすることができ、日本の文化を学ぶことができました、それは食事や宗教のこと、そして人と人が尊敬しあう態度、おもてなしの精神など世界中を驚かさる多様な価値です。参加の機会を頂いた世界選手権では、勝利のために私の持つすべての技術と力を出しましたが、残念ながらアフガニスタンの選手に敗退しました。しかし、この負けを通じて、多くの改善点を得ました。そして日本での稽古を通じて、それらの点を改善することができました。この稽古の中で得た経験をタンザニアに戻りましたら、技術的、そして精神的にもタンザニアの柔道を良くしていくために活かしていきたいと思っています。
私のために支援して下さったJUDOsや多くの方々に感謝以外のことはできません。タンザニアへ帰国後さらに稽古に励むことを約束します。そして来年東京で開催される五輪に参加することを目指します。またアフリカには多くの柔道普及の意思を持つ多くの柔道家がいます。引き続きご支援を頂ければ幸いです。ありがとうございました。
Mimi ninaitwa Thomas Mwenda(Nyundo) ni mchezaji wa Judo katika nchini Tanzania barani Afrika, pia ni mchezaji wa uzito wa -66kg. Maishani mwangu sikuwahi na kufikiri kwa siku moja nitafika Japan kuona na kufahamu sehemu ambayo mchezo wa Judo ndipo ulipoanzishwa. Kwa moyo mmoja na shukurani zangu za dhati napenda niwashukuru sana JUDOs kwa maana wao ndio baba na mama yangu katika mchezo wa Judo kwa kuwa wameweza kunisaidia vitu vingi sana kuanzia nauli ya kutoka Tanzania hadi Japan na kusaidia Hotel kwa ajili ya kuishi kipindi chote nilichokuwa hapa nchini Japan kwa kusema nawashukuru sana JUDOs. Mbali kidogo na mazoezi pia nimeweza kufahamu kidogo mji wa Japan na baadhi ya utamaduni wao kama vile chakula, ibada, nidhamu ya kuhesimiana baina ya mtu na mtu, ukarimu upendo na vitu vingi vya kustaajabisha dunia. Katika mashindano ya dunia niliyopata furusa ya kushiriki niliweza kujaribisha mbinu na nguvu zangu zote ili nishinde lakini bahati mbaya nilishindwa na mchezaji wa Afghanistan. Ila niliweza kusoma vitu vingi vya kuboresha kiufundi kutoka hilo ushinde. Mazoezi katika Japan niliweza kuboresha. Pia niliweza kusomea aina mbalimbali ya mazoezi. Nikirudi Tanzania nitatumia huo ujuzi niliopata katika mazoezi hayo ili niboreshe Judo ya Tanzania kiufundi na kitabia.
Nina mengi sana ya kuwashukuru JUDOs, Mashirika mengi na watu wengine wengi waliofanya kazi nyuma kwa ajili yangu. Ninaahidi nitajitahidi kufanya mazoezi ya Judo baada ya kurudi Tanzania ili niweze kushiriki mashindano ya Olimpiki mwakani yatakayofanyika Tokyo. Pia katika Afrika kuna wachezaji wa JUDO wapo wengi wenye malengi mazuri ya kuinua Judo. Nitashukuru sana nikipata misaada mingine kwa ajili hilo. Asante sana
さいごに
今回の日本での世界選手権参加及び試合前後の日本での合宿のためにご支援いただきありがとうございました。タンザニアでは、青年海外協力隊員も含め、多くの日本人による指導によって、歩みは遅いですが柔道の普及が行われてきました。近年、東アフリカやアフリカ大陸において成績を残すレベルの選手も出てきましたが、選手個人、柔道連盟の財政状況は厳しく、また連盟役員の経験不足からくる連盟運営の不手際のため多くの試合参加等の機会を失ってきました。そのような状況、貴会による支援により東京で開催された世界選手権への参加、試合後の合宿の実施ができました。今後、今回の経験を活かして、タンザニア柔道連盟の組織の改善なども含め、柔道の発展を図り、社会に貢献できる人材の育成へ努めていきます。引き続き、ご助言・ご支援のほどよろしくお願いします。
タンザニア柔道連盟一同