2025年10月に、全日本柔道連盟がウクライナ🇺🇦より17歳~19歳を中心とする柔道チーム(男子選手8名、女子選手8名を含む計20名)を受け入れました。本法人は、全日本柔道連盟からの依頼を受け、10月5日~10月9日までの受け入れを支援しました。
この事業は2023年に続き2回目となります。ウクライナオリンピック委員会やウクライナ柔道連盟、Future for Childrenという慈善団体からの要請により実現しました。Future for Childrenは、ロシア侵攻後、青少年がスポーツをする機会が奪われることがないよう「Olympic Dreams」を立ち上げるなど、今回の日本遠征に大きな役割を果たしています。
受入に関しては、日本の高校生と同じ年齢ということで、東海大学付属静岡翔洋高等学校・中等部教員で柔道部の平井亮輔監督に相談し、全面的に受け入れのサポートをしていただきました。
滞在中は、東海大学付属静岡翔洋高等学校・中等部の柔道部と合同練習、同時期に開催際された体育祭などのウクライナチームとして参加するなど幅広い交流を行いました。サポート役として東海大学柔道部の関優樹さん、岸田耕平さんが帯同し、生活面から練習までサポートにあたりました。感想を紹介いたします。

東海大学付属静岡翔洋高等学校・中等部は歓迎会を開催してくださいました

学生の皆さんが中心となり、習字体験を行ってくださいました。自分の名前を漢字で初めて書きました!

体育祭にも参加させていただきました。皆さん、ありがとうございました!

静岡での滞在をサポートしてくれた関優樹さん(左)岸田耕平さん(右)
▼ 関 優樹(東海大学体育学部武道学科4年)

今回のウクライナ支援を通して、ウクライナの現状や、言語の異なる方とのコミュニケーションの取り方など、さまざまなことを学ぶことができました。
戦争が始まった当初はウクライナに関するニュースが頻繁に報道されていましたが、現在ではあまり報道されることも少なくなっており、今回の支援活動はウクライナの現状を知る貴重な機会となりました。
特に印象に残っているのは、静岡での合宿中に、ウクライナのカレッジが爆破され、その被害状況を確認しに向かった軍隊が爆撃の被害を受け、多くの命が失われたという話を、実際にウクライナの方が語ってくれた場面です。その方の表情からは、言葉以上に戦争の悲惨さや苦しみが伝わってきて、深く心に残りました。
そのような過酷な環境の中で、いつ命を落とすかも分からない状況にありながら、試合に向けた練習や調整を続けている彼らの姿を知り、日本で安全に柔道に取り組めている自分が、どれほど恵まれた環境にいるのかを改めて実感しました。
また、言葉が通じず、初めて会う相手であっても、柔道を通じて組み合えば、試合後には自然と打ち解けることができました。この経験を通して、改めて柔道の持つ力や、国境や言語を越えて人と人とをつなぐ可能性の大きさを実感することができました。
この度は貴重な経験をさせていただきありがとうございます。この貴重な経験を今回限りのものにせず、今後の活動や自分自身の成長にしっかりとつなげていきたいと考えています。
▼ 岸田 耕平(東海大学体育学部武道学科4年)

今回、ウクライナのジュニアチームとの交流を通して、ウクライナの現状や戦争の悲惨さ、また言語の異なる方々とのコミュニケーションの取り方など、日常では得ることのできない貴重な経験をすることができました。
ウクライナでは現在、ロシアとの戦争により多くの人々が命を落としたり、国外へ避難を余儀なくされています。事前にロシアによるウクライナ侵攻について調べ、理解していたつもりでしたが、実際に現地の方々から直接話を伺うことで、改めて戦争の悲惨さやウクライナでの過酷な生活の実態を知る貴重な機会となりました。
特に印象に残っていることが2つあります。
1つ目は、翔洋高校で行われた歓迎セレモニーの出来事です。ウクライナの戦況を伝える約10分間の映像を見た際、多くの選手が涙を流し、互いに背中をさすり合う姿がありました。後にコーチから伺った話によると、ジュニア選手の多くが戦争によって家族や友人、道場や自宅を失っているとのことでした。家を失った選手の中には、空爆から逃れるために電車で移動しながら生活している人もいるそうです。彼らは「ベッドのない生活」「休まることのない毎日」だと語ってくれました。
2つ目は、午前中のトレーニング中に飛行機が頭上を通過した時のことです。私たちにとっては何気ない日常の光景でも、戦時下で暮らす人々にとっては恐怖を思い起こさせる出来事でした。「ここが日本だと分かっていても、いつ爆弾が落ちるかわからないような不安を感じてしまう」と話していました。その言葉を聞き、戦争は人々の心までも深く傷つけてしまう恐ろしいものだと痛感しました。
私たちよりも年下でありながら、私たちよりも過酷な経験をしてきた彼らが、逆境の中でも目標を見失わず、ひたむきに努力し続ける姿に強く心を打たれました。また、その彼らを支えるコーチの存在、ウクライナの選手たちを受け入れてくれた日本、そしてその活動に携われたことに感謝しています。そして柔道を通じて社会に貢献できたことを誇りに思いました。
また、言葉が通じなくても、柔道を通じて互いを理解し、心を通わせることができました。柔道を通じて親交を深める中で、言語の壁さえも越えてしまう柔道の偉大さを改めて実感するとともに、柔道を続けてきて良かったと心から思う事ができました。
この度は、貴重な経験をさせていただきありがとうございました。この経験から得られた学びは、私にとって非常に大きな財産となりました。今後もこのような活動に積極的に携わり、柔道を通じて人と人とをつなぐ架け橋となれるよう努めていきたいと考えています。そして、日本からウクライナのすべての方々を心から応援しています。


