「お寺で柔道たのしい」に参加しました!

8月17日、栃木県宇都宮市の「天台宗 正光寺」で行われた柔道体験のできるイベントに広報・川戸が参加しました。主催したのは、同市にある葵陽塾(きようじゅく)です。

NPO法人judo3.0主催の「ビギナー大人女子親善柔道大会」に参加していた葵陽塾の菅野先生から話を聞き、「お寺で柔道をするなんて面白そう!」と思い、おじゃますることにしました。

(ちなみに葵陽塾は、9月7日にJUDO EXPO「柔道を知っていても、知らなくても、誰もが気軽に参加できる柔道の祭典」を開催します。JUDOsも後援しています。お近くの方は、ぜひご参加ください!)

8月17日は、最高気温が35度を超える猛暑日でしたが、子ども連れの家族や、黒帯の柔道家などがおおぜい集まりました。
転んだときにどうやったら危なくないかを説明する菅野先生

14時から本堂で「親子ころび方教室」が行われました。これは柔道の受身を使った転び方を体験しながら身体で学びます。

「い草の畳の上で受身をとるのは初めてです」という菅野先生。受身のときに畳をたたく理由などを子どもたちにわかりやすく説明していきます。


後ろに転ぶ方法や前に転ぶ方法を実際にみんなでやってみました!

葵陽塾の子どもたちもサポートをします。上手にできたら「良いですね!」と声をかけてくれるのもうれしい

14時40分からは「柔道けんこう体操」です。

国士舘大学の森脇保彦教授が柔道の基本動作を応用して、立位姿勢の維持や転倒回避を目的として考案した「柔道けんこう体操」。その一部を実際に体験してみました。左右を間違えてしまうなどなかなか難しか恣意ところもありましたが、リズムに合わせてみんなでたのしくできたので良かったです。

「柔道けんこう体操」は9月7日「JUDO EXPO」でも行われます。(森脇先生自らご指導してくださるそうです)


その後は、境内に出ての「あおぞら柔道教室」。
ミストシャワーが設置されていましたが、暑かったです!


暑い夏にはかき氷!ということで、(株)佐藤商事の佐藤鷹史さんがかき氷の屋台を出店。思わず一つ購入!シロップかけ放題!

太陽に照らされたために畳が熱くなってしまい、スプレーで冷やしながらのデモンストレーションとなりました。その後はあまりに熱くてブルーシートでカバーをしました。畳が見えなくなるのは残念でしたが、仕方ありません。


足の裏が熱い!砂浜みたいとの声も

葵陽塾の皆さんが、柔道の技の紹介を行いました。
日ごろ練習している技をお寺の境内で発表できるなんて、素敵ですね!

 

その後は、投げ技体験コーナーに。我こそは、という見学者たちが次々にブルーシートの上へ。ついには住職も飛び入り参加!で盛り上がりました。袈裟姿で背負い投げをした住職がいるお寺は、正光寺だけではないでしょうか?!

最後に、葵陽塾の皆さんによる模擬試合が行われました。柔道の技の迫力に歓声があがりました。

「宇都宮市では、柔道が過疎化している」と菅野先生は話します。少子化の影響で子どもが少なくなり、柔道部として活動している中学校の数も宇都宮市全体の20%以下。隣の上三川市にいたっては柔道部がある学校は0校。また体育の武道必修化に伴う武道の授業では、宇都宮市全校で剣道が選ばれており、多くの子どもたちが柔道を直接見たり、経験したりする機会がない状態といえます。

そこで葵陽塾では、幼児の転び方教室や高齢者向けの足腰の補強講座なども含め、さまざまな機会を利用して柔道普及イベントを行っています。

菅野先生は言います。

「多くの人にとって、柔道場に入ること、あの場に足を踏み入れること自体が、敷居が高く感じられていると思うのです。実際、道場の扉が重かったりすることもありますよね(笑)」。

続けてこう話しました。

「私としては、このようなイベントの目的は柔道を実際にやってもらうことではないと思っています。見に来てくれた方々に柔道家がどんな人たちなのかを知ってもらいたいのです。

柔道家の印象を葵陽塾に初めて来た方に伺うと「大きくて、ムキムキで屈強そうな男性」というイメージが多く、私自身は、身長が特別高いわけではなく、耳もつぶれていないので、「え?柔道やってるの?ってゆうか塾長なの?」と驚かれることがあります。

「すごい人が柔道をやるわけではなく、だれでも柔道をやれるし、柔道を通じて成長することができる」柔道を特別な人たちのものだけではないということを知ってほしいですし、柔道衣を着た柔道家と触れ合うことで柔道を身近に感じていただきたいのです。

また、道場の子どもたちにとっても、こうしたイベントは成長するための機会になると思っています。家族や学校の先生以外の大人と関わることで、学ぶことはたくさんあると思うからです。普段の練習でも子どもたちに仕切ってもらうようにしているのですが、これも私たち指導者に頼らず、自分たちで考え、行動する機会を作り、それを自分たちの成長につなげてほしいと考えているからです」
 今回の「お寺で柔道」というユニークな企画も、少しでも柔道を身近に感じてほしいと思ったため。ただ、アイデアマンとして知られ、次々に面白いことを実現させていく菅野先生ひとりで開催できたわけではありません。

今回のイベントは、炎天下の境内でかき氷をせっせと作っていた佐藤さんのひらめきが始まりでした。

「お寺で柔道をやったら楽しいと思って、友人の正光寺の住職と菅野先生を引き合わせたのです。私は競技柔道がすべてではないと思っていて、こうやって草の根で柔道の裾野が広がっていくのが良いと思います。やってよかったです」

参加した子どもたちからは「投げるのが楽しかった。はじめ怖かったけど、投げるのはそんなに難しくなかった」「投げた後は、びっくりした!柔道をそばで見るのは初めてTVと違ってすごいなぁって思った」「またこんなイベントがあったら参加したい!」などの声があがっていました。

私もまた参加したいと思います!(今度は、道場に行きたいです)

葵陽塾主催のJUDO EXPOは9月7日に宇都宮市で開催されます。柔道を知っていても知らなくても誰でも参加できるイベントです(入場無料)。JUDOsも後援しています。お時間のある方は、ぜひご参加ください!