ビギナー大人女子親善柔道大会に参加しました!

こんにちは! JUDOs広報の川戸です。2024年6月29日、東京学芸大学柔道場で開催されたビギナー大人女子親善柔道大会に参加してきました。

この大会は、NPO法人judo3.0のオンラインミーティングで、ある女性が「大人になって柔道を始めたけど試合に出るのは怖い」と話をしたことから始まりました。

実は昨年からこっそりと柔道をはじめた私も「その気持ちわかります!」と思っていました。無段の部の大会に出たとしても、本気の中学生が対戦相手だったら、怖いしケガをしそうだし…。ケガしたら治るのに時間がかかる年齢だし…。

明日の仕事や家事のことを考えるとやはり大会に出るのは無理だなぁと思っていました。

そんな柔道ビギナー女子の声を聞いたjudo3.0の皆さんが、ビギナー女子でも楽しめる大会を開催してくださいました!

対戦相手は、必ず熟練者。
良い技をかけたら、相手を投げることができる。
対戦相手の熟練者は選手の力量によって技をかけてきます(受身に自信がない相手には、倒れるような技をかけてはいけません)。投げられても受身が取れたらポイントにはなりません。

ビギナー女子にとってこんな素敵な大会がいまだかつてあったでしょうか。

私が柔道をはじめたのは去年(2023年)の夏ごろです。運動不足の事務職の40代が急に柔道をはじめても大丈夫なのだろうか?柔道って厳しそうだし…。先生が怖そうだし…。
JUDOsで広報として柔道にかかわり「柔道をやってみたいな」と思ってはいたのですが、柔道をはじめるための敷居が高かったことを覚えています。

はじめて柔道をやったときは、準備運動の前転や後転で「吐き気…やばい」と思いました。それでも手の指から、足の指まで使って行う柔道の動きが健康に良さそうだったこと。力の方向など力学的に理にかなった動きが取り入れられていることが単純に面白かったこと、道場の先生がやさしかったこと(つまり、怖くなかった!)ことから、 楽しくゆるく続けられています。

そんな私のようなビギナー大人女子のための親善柔道大会が、東京学芸大学柔道場で開催されたのです。

柔道をはじめてからなんとなくビギナー大人女子は、マイノリティーのマイノリティーという雰囲気を感じていたので、参加者がいっぱいいてとても嬉しかったです。


17名の参加者。有段者もおられましたが、皆さん大人から柔道をはじめられた方ばかり。私もいつか黒帯を取りたいと思いました

17名の参加者に、熟練者の先生方が20名以上集まってくださるという素晴らしい環境で大会はスタートしました。大会スタート直後は、緊張のあまり帰りたいと思っておりました。


会場の一角には、キッズスペースが。子どもたちが安全に遊べる環境があることで、お母さんは思い切り柔道ができますね。試合中に、子どもたちがお母さんに大きな声でアドバイスしていました!

 
準備運動を兼ねた数種類のリクリエーションを東京学芸大柔道部久保田浩史先生にご指導いただきました
 

国士舘大学の森脇保彦教授より、投げない柔道を教えていただきました。技の理合いや動きの原理など身体だけでなく頭も使いました。相手の動きを感じながら自分も動くのは難しいですね

試合は、一人3試合行いました。

試合時間は2分と言われていましたが、本当に長く感じました。1試合後に「疲れすぎて死ぬ…。吐く…。」と放心状態になりました。2試合目を終えて、参加者の疲労具合を見て、先生方から3試合目は1分でもいいのでは?という提案がありました(そして1分になりました笑)。


人生初の柔道の試合。どうしたら良いか戸惑っている図

第1試合の相手は、栃木県の葵陽塾の菅野裕之先生でした。運営の先生方の会議から漏れ聞こえてきた「30秒は受は投げられることなく耐えてください」という作戦通り、前半は技がかかる気がしませんでした。後半は練習してきた支釣込足からの大外刈をひたすらかける時間になりました。

第2試合は、東京学芸大学OBの川原輝子先生。スレンダーで手足の長い川原先生、私の足が短くて大外刈がかからないのか!?と思いましたが、外野より「ケンカ四つなので、距離があるので思い切って入らないとだめです!」とアドバイスをもらい「そういうことか」と思いました。右組左組がよくわからないくらい緊張していたということですね。声をかけてくれたのは東海大OBの池田希先生だったと思うのですが、試合中でも声援など聞こえるものなのだと知りました。アドバイス、ありがとう。

川原先生からも試合後に、両足が平行にそろってしまっているので斜めに開くといいですよ。優しいアドバイスいただきました。

第3試合は、千葉県で中学校教員をされている藤原修一先生。たぶん、100kg超級(汗)。三試合目ということでヘロヘロな上に、今まで組んだことのないような大きさの藤原先生に戸惑いましたが、先生から「怖くないから、思い切りおいでっ!」というアクションをいただき、安心して思い切り大内刈をかけさせていただきました。技の最後には、こちらが頭を打たないようにさりげなく支えてくださいました。

対戦相手も違うタイプの先生にあたるように調整されていたようで、運営の細やかな配慮を感じました。


試合後には小グループになって座談会がありました。身体は疲れていましたが、口はまだ疲れていなかったので、たくさんお話させていただきました

嬉しいことに技能賞 をいただきました。もっと頑張れますね!という励ましの賞だと思いました。先生方からのメッセージの書かれた色紙、ポジティブなメッセージでとても嬉しかったです!

まさか、自分の人生で柔道の試合に出るようなことになるとは思ってみませんでしたが、参加してみてとてもとても楽しかったです!練習してきたけど、試合では出来なかったこと、悔しいなと思いましたし。緊張していても技がしっかり出せるまでもっと練習したいな。とも思いました。

レクリエーションの時間も試合の時間も、交流会の時間も、どの時間にも先生方が「ビギナー女子柔道選手を安全に楽しませよう」としてくださっている気持ちが伝わってきました。

どうして、何の得にもならないような私たちに貴重な1日を使ってくださるのだろう。とも思いました。実際に、なんでですか?と聞いてみたのですが、「柔道をはじめてよかったとおもってもらいたい」「自分も昔はいろいろな先生に教えていただいたから」など返答をいただきました。

柔道を通じて培われている「思いやり」や「他者を尊重する気持ち」を感じることができ、とてもあたたかい気持ちになりまし、柔道っていいなと思いました。

このような大会を開催してくださったNPO法人judo3.0の皆さま、本当にありがとうございました。心から楽しませていただきました、柔道をはじめて皆さんとお会いすることができて幸せだと思いました。

第2回大会に向けてこれからも練習頑張ります!


「試合に出るのが怖い」ビギナー大人女子のための柔道大会ダイジェスト動画です。

P.S,
今回の大会出場のため、東海大柔道部国際交流担当の田畑翔太朗さん、リサイクル柔道衣を着せらせて支釣込足からの大外刈の受をさせられた福田一斗さんありがとうございました!柔道部練習後に呼び出されたのにも関わらず嫌な顔一つせずに練習に付き合ってくれてました。急に支釣込足からの大外刈を練習しはじめた私に付き合ってくださった厚木市柔心会の皆さま、ありがとうございました。

試合まで時間がない!と思ったので、柔道の練習相手に困ることのない職場環境を利用させていただきましたことをここでカミングアウトさせていただきます