エルサルバドルから柔道衣活用の報告が届きました

2023年3月に、中米のエルサルバドルにリサイクル柔道衣を運搬してくださった石﨑信太郎さんから、現地で柔道衣が活用されている様子が届きました。

石﨑さんが活動している道場は、「サンマルティン・ファン・カルロス道場(Dojo Juan Carlos Vargas San Martín)」(サンサルバドル県サンマルティン市)です。

試合場2面分、約100畳の広さの道場で、NPO法人柔道教育ソリダリティーから提供された畳を使用しています(2018年8月に提供)。

現在、道場には7歳以上の子どもたちを中心に、上は20歳まで約150名が稽古に通っていますが、家庭の事情や学校の時間の関係で毎日練習に通える生徒は多くありません。

道場の競技レベルはそれほど高くありませんが、指導者のリチャード・ラミレス氏は、柔道の教育的価値に重点を置いた普及に力を注ぎ、あいさつなどの礼儀や他者を尊重すること、時間を守ることの大切さを柔道指導を通じて伝えています。

その上で、「競技者数を増やし、その中から有望な選手を育成することが重要である」と考えています。

サンマルティン道場では、コロナ禍で体験者数が一時減少したものの、現在は増加傾向にあり、その際に使用するレンタル柔道衣が不足しています。また柔道衣の劣化も激しく、破れた柔道衣を使わなければいけない状況でした。

こうした事態は各地の道場からも報告されているそうで、膝や肩回りが破れた柔道衣で稽古をする選手が増加しているそうです。それが原因で、本来防げたはずの擦り傷や突き指などのケガをする事例も多く確認されています。


サンマルティン道場だけでなくナショナルチームの選手でもほとんどがリサイクル柔道衣を使用しているそうです。日本語のゼッケンが多く、国内の道場のように見えます

 また、エルサルバドルでは、ナショナルチームに入っても柔道衣の支給は基本的にありません。そのためトップ選手でも柔道衣を複数持っている人は多くないそうで、地方では1着しか持っていない人がほとんどだそうです。


運搬いただいた柔道衣を子どもに着せる石﨑さん

石﨑さんは言います。

「今回、柔道衣を寄贈いただいたことで、これらの問題が改善され、安全に稽古が行える環境作りの手助けとなりました。エルサルバドル柔道連盟を代表して感謝申しあげます」

本法人ではこれからもエルサルバドル柔道と石﨑さんの活動を応援していきます。石﨑さん、ご報告をありがとうございました!