IJF公式サイトにJUDOs研修生の記事が掲載されました!

2020年1月に受け入れました、アフガニスタンのフリーバ・レザイーさん(Friba Rezayee)の記事がIJFの公式Webに掲載されましたので紹介いたします。
 

 

アフガニスタンは、女性リーダーを必要としている

ニコラス・メスナー 2020年12月23日 ※仮和訳

カナダ在住のフリーバ・レザイーは、ブリティッシュ・コロンビア大学で政治学を専攻し卒業した、笑顔でダイナミックな若い女性ですが、それだけではありませんでした。Women Leaders of Tomorrow(未来の女性指導者)の創設者でありプログラムコーディネーターを務め、「GOAL:Girls of Afghanistan Leadでリーダーシップを発揮している彼女は、アフガニスタンのカブールで生まれ育ちました。

講道館の道場でザケラと練習するフリーバ・レザイー(右)

彼女は18歳の時に、2004年のアテネで開催されたオリンピックに柔道選手として出場し、アフガニスタン初の女子オリンピック選手として歴史に名を刻みました。彼女がオリンピックへ参加したことは、タリバン政権崩壊後、アフガニスタンが世界のスポーツの舞台に再び立つことを手助けし、他の何百人ものアフガニスタンの少女が様々なスポーツを始めるきっかけとなりました。それはアフガニスタンの女性アスリートのためのスポーツ革命となりました。

2011年以来、彼女はバンクーバーに住み、長年に亘り、をはじめ世界各地で、女性と少女の教育、男女平等、人権、女性の権利を率直かつ情熱的に提唱してきました。

母国の現在の課題、未来の課題を認識している彼女は、アフガニスタンでの教育とスポーツに焦点を当てた非営利団体「Women Leaders of Tomorrow(WLT)」を設立し、2つの分野で活動しています。

具体的には次の2つの分野で活動しています。

・教育:アフガニスタンの若い女性のためのアメリカやカナダの大学の学部課程

・柔道:格闘技やスポーツ

カブールでの柔道

フリーバは、以下のように語った。「WLTは、アフガニスタンの女性に高等教育の機会を提供することを目的とした非政治的組織です。卒業生はアフガニスタンに戻り、労働力、特に政府や民間部門でのジェンダーギャップを埋めることが期待されています。このような未来の女性指導者たちは、将来の企業経営者や政府職員になるための指導力を身につけ、政治の世界の、選挙で選ばれる役職に立候補することにもなるでしょう。

WLTは他にも、スポーツ、特に柔道を通じたリーダーシップと社会進出のための機会も提供しています。WLTには、GOAL(Girls of Afghanistan Lead)と名付けられた特別な女性スポーツにおいてのリーダーシッププログラムがあります。GOALプログラムは、アフガニスタンの若い女性が格闘技のトレーニングを通じて、自信と社会進出を得られるよう支援しています。この活動を通し、GOALイニシアチブは、対象となる若い女性に国際的な柔道のトレーニングの機会を提供しています。

GOALはさらなる活動の一環として、スポーツ科学、体育、武道を教える資格を持つ若い女性のために、アフガニスタンでの国内でのキャリア形成の機会を提供しています。そのプログラムには、才能あるアマチュア、プロのアスリート、学生の多様なグループからの人材が集まっています。アフガニスタンでの熱心な格闘技のトレーニングを通じて得た自信は、これらの若い女性たちに新しく他に類を見ない機会と、地域社会での指導者の地位を提供しています」

カブールの女性柔道家

GOALは、アフガニスタンの女性と少女のスポーツにおける指導者の地位を拡大する機会をひろげることを目的として設立されました。

なぜ柔道がそのための完璧なツールとなったのかを理解するためには、2002年にノルウェーの外交官であり、オリンピック選手でもあったStig Traavik氏が初めてアフガニスタンの女性に柔道を広めたからだと言わなければなりません。Stig氏はまた、「Judo for Fred(ノルウェー語で、平和のための柔道」プログラムの発案者でもあり、現在も何百人ものアフガニスタンの子供たちへ支援を続けています。

GOALは、色々なスポーツや場所で、アフガニスタンの女性に向けた短期のスポーツ指導者養成の機会を見つけられるよう支援しています。その目的は、恵まれない立場の女性たちがコーチとして指導力を発揮すること、専任の指導者になったり、自分のスポーツクラブを開いたり、プロのアスリートになれるよう支援することです。

第1回GOALリーダーシップ&コーチングクラスは、2020年1月に全日本柔道連盟と日本の非営利団体「JUDOs」との共同で、東海大学を中心に開催されました。このGOALトレーニングを受けたのは、GOALのメンバーであるパーウィン・アスキャリー(Parwin Askari)とザケラ・ホセイニ(zakera Hossaini)の2名です。彼女たちの日本での研修期間は、2020年1月18日~31日までの12日間でした。日本のヒーロー、井上康生氏が指導するNPO法人JUDOsで選手としてトレーニングを学んだパーウィンとザケラは、アフガニスタンで女子の道場を指導する準備ができました。

井上康生氏と東海大学で
 

先日、IJFの国際柔道連盟ジェンダー・エクイティーのリサ・アラン委員長とIJFの柔道フォー・ピースのニコラス・メスナー委員長は、フリーバが主催するオンラインフォーラムに参加し、アフガニスタンの若い女性たちの決意を目の当たりにしました。

フリーバは最後に、「私たちは、世界中の支援者から、資金や物資を集め、カブールの柔道場での練習に必要なことや施設を支援するため、アフガニスタンの柔道チームと共に取り組んでいます」と締めくくっています。その活動の一環として、GOALは競技柔道の分野における、国内選手と国際的なパートナー組織との間で英語やペルシャ語の翻訳を行ったり、大会に出場するアフガニスタン選手のために出場の手続きや移動の支援をしたり、その他多くの仕事をしています。アフガニスタンには女性リーダーが必要なのです!」

詳細情報

Women Leaders of Tomorrow: https://womenleaders.ca

JUDO – Girls of Afghanistan Lead (GOAL):https://www.facebook.com/GirlsofAfghanistanLead