ボツワナ🇧🇼より【柔道でつなぐ世界!No.7】

JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。

アフリカ南部のボツワナで青年海外協力隊として現地NGO(Steppin Stones)に配属され活動している大島繁之さんからの活動報告です!


青年海外協力隊inボツワナ🇧🇼
柔道でつなぐ世界! No.7

ご覧いただきありがとうございます。2024年11月、ボツワナは日本と季節が反対で夏を迎え、私の住んでいる地域でも30度を超える気温が続くようになってきました。

さて今回は先日ご挨拶に伺った遠方の柔道クラブの話や私の活動期間終了後を考えるために行った配属先でのミーティングについてご紹介させていただきます。最初の写真は訪問した柔道クラブの現地コーチと一緒に撮影した一枚です。お土産として日本から持参した手ぬぐいを柔道クラブへプレゼントしました。

首都から遠く離れた地方の柔道クラブ

私が今回向かったのはボツワナの首都ハボローネからバスで6時間ほどかけて向かったセレビ・ピークエという街の小学校です。おそらく首都から一番離れた場所にある柔道クラブだと思います。

こちらでは女性のコーチが柔道を指導されているのですが、元々彼女はボツワナ柔道連盟本部で柔道を練習し以前に配属されていた青年海外協力隊の柔道隊員の方とも練習をしていたそうです。小学校の先生というわけではなく普段は別の仕事をしていて、配属先としてこの地域に来たことをきっかけに柔道クラブを小学校内に開くことになったそうです。

女性のコーチと共にアシスタントコーチを務める黄色帯の若者(最初の写真)は首都ハボローネにあるボツワナ大学の生徒で、一時的にこの地域の親戚の家に滞在していることからこの柔道クラブに参加しているそうです。私も何度かボツワナ大学の練習に参加していて彼とも知り合いだったので偶然の出会いにびっくりしてしました。ちなみに私の以前のレポートNo.5の中にある写真にも彼が写っています。

この日の練習に参加している生徒は約20人程度でした。今年の4月にこの柔道クラブは始まったばかりだそうですが、そうとは思えないほど生徒たちはとても基本の技術がしっかりしている印象でした。それだけいつも熱心に練習をしているというのがとてもよくわかります。私も今回2日間練習に参加させていただき、受け身や投げ技、抑え技のアドバイスを行いました。

練習後に現地コーチから聞いてわかったことですが、いきなり私たちが来たので生徒たちは何か柔道の審査をされているのではないかと思い相当なプレッシャーを抱えてしまっていたそうです(笑)。緊張感のある練習もたまには良い経験となったことでしょう!

ボツワナにて首都から離れた地域で柔道を学ぶことはまだまだ難しい状況です。しかしこの柔道クラブのように、また首都で柔道を学んだ人が各地域に柔道の輪を広げ柔道を引き続き普及させていくことに貢献してもらえたらと願っています。

今回は普段一緒に私とNGOにて柔道指導をしているコーチにコーディネートしていただいてこちらに来ました。みんなでウォーミングアップをしています。

この柔道クラブでは近日中に初の昇級試験を控えているようで、試験に必要な技を一つ一つ確認しています。小学生以外の生徒も何人かこの柔道クラブに参加しているようでした。

青年海外協力隊の活動期間後を見据えて

話は所属先のNGOに変わりまして先日、来年以降も柔道の授業を継続的に実施するためにボツワナ柔道連盟から派遣されている同僚のコーチとNGOの先生と私の3人で運営に関するミーティングを行いました。

私の活動は来年の1月に活動を終えて日本に帰国するスケジュールです。正直なところ年末年始を考えると実質的には年内で私の担当する授業は終わることになるかと思います。

NGOの先生のオフィスにて集まってミーティングの機会を作らせていただきました。ボツワナではミーティングの際にジュースとお菓子を配るのが慣例のようなので主催の私が準備してみたところ大変喜んでいただきました。

この活動の結果を残すことができるか

色々お話をした中で特に私が懸念しているのは生徒たちのモチベーションを管理する仕組みです。よくアフリカンタイムと言われるのですが、日本人と比べてボツワナの人は時間の管理が苦手です。例えば授業が時間通りに始まらなかったり、逆に早く終えなければいけなかったり、または授業が都合により実施すらできなかったりということがよく発生してしまいます。

さらに問題なのはこのトラブルに生徒も先生も慣れてしまっているということで、これが柔道練習の意欲にも影響がでてしまうことがとても心配です。昇級試験に向けて、または柔道の大会に向けて集中して努力したい、準備をしたいという生徒の気持ちに応えるためにも可能な限り時間を意識した活動を続けていただきたいこと等をお伝えしました。

時間に厳しい日本の考え方がボツワナでは当たり前ではないことを普段の生活でも非常に感じます。とはいってもここはボツワナです。自分の意見だけを強要するわけではなく、文化や考え方も理解したうえでお互いの納得できる妥協点を見つけ出すというのが協力隊活動を行う上で重要です。残りの期間は同僚のコーチに柔道授業の引き継ぎを行うこととなりますが、現在の指導方針を少しでも理解してもらい維持できるように引き続き協力し合っていきたいと思います。

ご覧いただき、ありがとうございました。ボツワナでの日常生活をInstagram(@jica_shige)でも配信しておりますので良かったらそちらもご覧ください。


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