ボツワナ🇧🇼より【柔道でつなぐ世界!No.6】

JUDOsでは、海外で柔道指導者として活躍されている方々の声をお届けする「海外からの柔道指導だより」を掲載しています。

アフリカ南部のボツワナで青年海外協力隊として現地NGO(Steppin Stones)に配属され活動している大島繁之さんからの活動報告です!


青年海外協力隊inボツワナ🇧🇼
柔道でつなぐ世界! No.6

今回もご覧いただきありがとうございます。2024年7月末、フランスのパリではオリンピックが開催中で柔道の試合も連日行われている時期にこの記事を準備しています。残念ながらボツワナ共和国の柔道選手はパリオリンピックの出場枠を獲得できなかったようですが、今回は隣国である南アフリカ共和国にて先日行われた国際試合に関する内容をご紹介させていただきます。

複数のクラブが集まった合同練習会

国際試合に向けて6月にボツワナ国内の各柔道クラブが集まって合同練習会が実施されました。最初の写真はその時にボツワナ柔道連盟のコーチ陣の皆さんと撮影したものです。私は所属先NGOの生徒を引率してこの2日間の練習会に参加させていただきました。普段はNGO施設内にてスポーツ用のマットを敷いて練習していますが、ボツワナ柔道連盟の道場では柔道畳が広く敷かれていて大人数で充実した練習ができました。この規模で練習したことは少なくとも私が着任した2023年1月以降では初めてでしたのでNGOの生徒達にも良い経験になったかと思います。


初日の午前中は小学生を対象として、その後は中高生及びシニア以降の全世代が集まった合同練習会でした。僭越ながら私からも少し技術アドバイスを担当させていただきました。


この方はボツワナの選手としては最年長である53歳の方です。2年ほど前から柔道を始めたそうで、今回の国際試合にも参加されていました。ボツワナ国外での試合は始めてなのだそうです。

まさかの国際試合への招集連絡

この合同練習会の目的が南アフリカで実施される国際試合の参加選手を決めるためとは事前に聞いていましたが、正直さすがに練習量の違いから私のNGOの生徒は選ばれないだろうと思い、普通に練習のつもりで参加していました。しかし今回、驚いたことにボツワナ柔道連盟から私の所属先NGO生徒2名の参加に関するお誘いをいただくこととなりました。生徒だけでなく、私の経験にもなることを踏まえてお話をいただけたようです。

我々が招集されるとはまったく予想していなかったので遠征までのたった2週間で生徒のパスポートを作成したり、NGO内で遠征予算を確保したりと大慌ての準備を開始することとなりました。普段は時間をあまり気にせずゆったりしたスケジュールを好むのがボツワナの文化ですが、いざとなった時の行動力は日本人よりも凄いかもしれません(笑)。何とか無事、準備を終えて試合会場である南アフリカのブルームフォンテーンへ3泊4日の旅に出発です。

ボツワナと南アフリカは隣接しており、このバスを利用して片道約7時間かけて会場まで移動しました。今まで海外への旅行は飛行機を使用していたので、陸路で国境を渡ったのは私自身も初めての経験でした。

初めて国際試合の空気感を経験

私自身の選手として活動した期間は中学、高校時代のみであり海外遠征できるほどの実力もありませんでしたので様々な国の選手が集まる国際試合を経験するのはもちろん初めてでした。青年海外協力隊としての立場もありますが率直に日本から遠く離れたアフリカ各国の選手がこうして集まり柔道を楽しんでもらえている現場を見ることができたこと、携われたことを大変嬉しく感じました。

各試合についてですが、ボツワナ選手全体では各個人で合計11個のメダルを獲得しました。体重や年齢でカテゴリーが細かく分けられ、参加人数の大小によってはメダル獲得がなかなか難しいところに入ってしまった選手もいたと思います。所属先NGOの男子生徒はカテゴリーの人数が4人だったことでややラッキーではありましたが、何とか1勝した上で銅メダルを獲得することができました。指導者としては所属先に良い結果報告ができることにホッとしました(笑)。ちなみに私はコーチ席にNGOの生徒だけでなくほかのボツワナ選手が試合に出場する際も何度か座らせていただきました。

おそらくこの国際試合はオリンピックと直接の関係はなく、このような試合経験を通じて各国選手の育成を図るという目的が強い大会なのかなと思います。今回出場した彼らがいつかオリンピックにも出場して活躍してくれることを願っています。私の活動も残り6か月となりました。この経験を生かして引き続きボツワナにて活動を頑張っていきたいと思います。


今回の大会では南アフリカの各地域のクラブチームのほかにナミビアやモザンビーク、アンゴラ、ジンバブエなどの国の選手が参加していました。

普段は私と同じくNGOにて指導者をしている若い先生(写真左)も今回は選手として参加して、見事に金メダルを獲得しました。生徒(写真右)も銅メダルを獲得することができ喜んでいます。


ボツワナチームでの一枚。見事にメダルを取れた人も残念ながら逃してしまった人も次につなげて引き続き努力していただけたらと思います。

ご覧いただき、ありがとうございました。ボツワナでの日常生活をInstagram(@jica_shige)でも配信しておりますので良かったらそちらもご覧ください。


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